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2024/04
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中吉
 相変わらず短いですが、九回目です。
 もっとまとめてアップしたいのですが、今はちょっと体力がぎりぎりなので、すみません。

 気分転換とか、たまには外の空気も吸わないととか云われて、その気になった。

 そろそろ昼時ってころだったから、近くの森にでも馬で出かけて、そこで飯を食べるくらいかな

――って、承知したんだ。

 けど。

 おしのび――ってやつだった。

 表向きは、たしかに、ジュリオとジュリオの乳兄弟と三人で王宮から比較的近くの森に馬で出か

けるということだったんだ。

 その実は、城下にくりだすというものだった。

 ジュリオの友人であるらしい貴族の家に立ち寄って、馬を預けた。

 王宮の馬はどれも立派だから、町に連れてゆけば目立ちすぎるのだそうだ。

 その貴族の厩には、下級騎士が飼うていどの馬というのが数頭揃えられていて、あらかじめそれ

を借り受けるという話をつけていたらしい。

 服装も、馬に相応しいものを準備してもらっている。

 この手際のよさからすると、ジュリオはおしのびの常習犯らしい。

 カルスタというらしい、ジュリオの乳兄弟が供だった。

 ジュリオよりも五つ年上ということだ。彼は、つねに鍛錬を怠らない騎士の鑑に相応しい、立派

な体躯をしている。

 男なら、あんな体格だったらいいのにと、絶対あこがれるだろう。

 むっつりと黙りこくっているのは、不機嫌なのか、それとも、元々がそういう性格なのか、判断

しにくいが、あえて訊ねることはやめておいた。

 こっちこっち――と、こども返りしたかのようなジュリオについて歩きながら、オレは人混みに

酔いそうだった。

 気軽に下町に足を運んだジュリオに、オレは、驚いてた。

 いくらおしのびといったって、ジュリオは王子だから、もっと貴族たちと付き合いがあるような

待ちに行くのかと思ったのだ。けど、そういうと、ジュリオは、

「そんなとこ行ったら、ばれちゃうでしょう」

と、笑う。

 そういえば、そうかもしれない。

「兄上とは違って、僕の顔は結構知られてるんだ」

 へらりという。

 贈り物を買いにいったりしてるしね。

「自分で?」

 ―――行ってもいいのか。

 母さんと父さんの誕生日になにか贈ろうと考えてたけど……。

 オレの考えてることを読んだみたいに、

「あ、兄上は、駄目だと思うよ」

「は?」

「僕の場合は、一応父上公認なんだけど、兄上が何か買おうと思ったら、店主を城に呼ぶことにな

るだろうね」

 父上に聞いてみるといいよ。多分、そういわれると思うよ。

 そんなことを、さらりと云ってくれた。

 そこで、ふと、思い至った。

「じゃあ、オレがおしのびで出たなんて、へ……父上が知られたりしたら」

 真っ青になる。

 咄嗟に帰ろうかと思ったが、

「知られないためのおしのびでしょう」

と、へろりと返されて、なんか、オレの頭の中は、真っ白になってた。



 所詮オレは田舎者だ。

 育ったのは、辺境の森の中だし。

 両側にびっしりと露店が並ぶ細い道に、ごった返す人の群というのには、慣れていない。

 ひととぶつかるたびに謝りつづけ、相手を通そうと同じほうに動きつづけたり、背中に力が入りすぎて、今にも攣りそうだった。

 オレは、やっぱり、屋根の下のほうが合ってる。

 つくづくそう思った。

 ジュリオは難なく買い物したり、店を冷やかしたり、楽しそうだ。

 こんな人混みを掻き分けての買い物なんか、したことない。

 辺境の祭は、はるかにささやかだ。

 こんなひとの賑わいは、ない。

 いったいどこから現われるのか、ひきもきらないひとの群だ。これが、王都の下町の日常なのだ
という。


************ ここまでです。

 おしのび。
 この前にもひとつエピソードをくわえる可能性もありますけど。こちらのほうが、オイジュス君が明るいんですよね。
 さて。どうしましょうか。どちらにしても、突き落とされちゃう子ですからねぇ………。ごめん。


 さてさて、明日歯医者です。
 いやだなぁ。
 でも、水が染みますし。噛んでて痛いときもあるし……。あとは、コーナーポケットの傷が膿んでるから、痛いというのありますし…………。どれだけですか。これ。
 食べ物が美味しくないのよね。
 でも、歯医者はなぁ。はぁ。

 気分を変えて。

「ぼくとボビーの大逆転」
 見ました。
 クリストファー・リーも三段ぶち抜きで登場なさいました。
 泣かされました。
 でも、でも、ボビーのほかの犬は? やっぱり、殺処分……ですよね。
 実話というだけに、どうしても諸手を挙げては喜べないのだなぁ。
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