小吉
2009-03-15(Sun)
七回目に拍手くださって、ありがとうございます。
八回目です。
短いですが。少しでも楽しんでくださると嬉しいです。
それから、オレは、少しは変わったんじゃないかな。
ジュリオにも、そう云われた。
陛下の表情も、なんとなくだけど、やわらかくなったような気がする。
久しぶりの休養日だった。
オレは一日かけて、作りかけの木彫りをやってしまおうって計画を立ててた。
ジーンはオレの休みに合わせて休みをとってるから、多分庭の離れにいるんだろう。
遊びに行きたい気持ちはあったけど、ジーンのことだから、勉強してるかもしれないし。
だから、オレは寝室の外の露台に胡坐を組んで、木を削ってた。
あたたかい陽射しと、やわらかな風、小鳥たちのさえずり。
そんなものを感じながら、二年前からずっと滞ってたオオカミの仕上げにかかった。
どう考えても強度が今一なんだけど、彫ってしまったからな。飾りくらいにしか使えないのはわ
かってたから、刃の部分も木で掘り出して、柄にくっつけたら形になりそうだ。だったら、置物に
しかならないんだし、強度はあまり関係なくなるだろうから細かく手を入れてしまえって目論んで
たんだ。
ああ、やっぱ、オレって、こうやって木を削るのって、好きだな。
いろんなことを忘れられる。
そうやって、どうにかオオカミの毛並みが満足行く出来になったときだった。
テルマとかいったと思うんだけど、オレの侍従の中で一番年嵩の男が、声をかけてきたんだ。
「失礼します。ジュリオさまがお見えになられております」
どういたしますか――――と、言外に訊ねられて、オレはしぶしぶ腰を上げたんだ。
「あ、これ、触らないで」
軽く頭を下げるテルマに、オレは、オレの居間の向こうにある応接室に先導された。
「兄上」
陶器の碗を傾けていたジュリオが、オレを認めて、椅子から立ち上がった。
ずんずんと近づいてきて、
「遊びに行きませんか」
って、オレの耳元で悪戯そうにささやいたんだ。
「………どこへ?」
オレは、ジュリオを見上げた。
こちらへ――と、オレの手をとって、さっきまで座ってた椅子の向かいにオレを座らせる。
「ああ、呼ぶまでさがっていいから」
軽く手を振って、ジュリオはテルマをさがらせた。
命令するのも、さまになってる。
オレとは雲泥の差だ。
「どうぞ」
ジュリオが、手ずから茶を淹れてくれる。
「あ、ああ」
勧められるまま、碗を手にした。
ぷんと、お茶のいい匂いが鼻先をかすめる。
「それで、どこに行くって?」
一口啜ってから、オレは、口を開いた。
「兄上がここにいてから、二年になりますよね」
「ああ」
首をかしげる。
わかってることだろ。
何を今更。
「城から出たことありませんよね」
と、にっこりと笑った。
艶然――ってやつかなぁ。
背中がぞくりとするくらい、色っぽい。
オレより、二つも下なのにな。
絶対、知らなけりゃ、オレのが年下に見られるに違いない。
「出たことはないけど?」
まさか――って、遅まきながら気づいた。
悪戯そうな笑いの正体を―――だ。
************* とりあえずここまでです。
遅々として進みません。
なかなかターニングポイントにたどり着かないのだな。うう。魚里自身が焦れますよ。
えとえと、これから、「僕とボビーの大逆転」を見ようと思ってるので。
イギリスに実際存在した、名犬ボビーの話です。
泣かされてきますとも。
最近見たDVDは、「イワンと仔馬」。ソ連時代のアニメーションです。
最近の放送禁止差別用後を使うと「せむしの仔馬」―――これが、元のタイトルですが。
結構有名な民話ですよね。
実は、これ見てて、ラスト付近で、仔馬に萌えた魚里です。これで、高x金書けるよなぁ。萌えつつ、踏ん切りがつかなかったりして。
なんとなく好きなライトノベル――
あからさまにBLと化した「炎の蜃気楼」はともかくとして。
それと同時期くらいに小学館のパレットか何かで連載されてた、「封殺鬼」シリーズ結構好きでした。
作者は、霜島ケイさん。今もこのシリーズを小学館のルルル文庫かなにかで連載中ですね。読んでないのは、魚里の好きなキャラが出ないからvv 読むか読まないかを決める基準って、魚里はそんなもんです。
八回目です。
短いですが。少しでも楽しんでくださると嬉しいです。
それから、オレは、少しは変わったんじゃないかな。
ジュリオにも、そう云われた。
陛下の表情も、なんとなくだけど、やわらかくなったような気がする。
久しぶりの休養日だった。
オレは一日かけて、作りかけの木彫りをやってしまおうって計画を立ててた。
ジーンはオレの休みに合わせて休みをとってるから、多分庭の離れにいるんだろう。
遊びに行きたい気持ちはあったけど、ジーンのことだから、勉強してるかもしれないし。
だから、オレは寝室の外の露台に胡坐を組んで、木を削ってた。
あたたかい陽射しと、やわらかな風、小鳥たちのさえずり。
そんなものを感じながら、二年前からずっと滞ってたオオカミの仕上げにかかった。
どう考えても強度が今一なんだけど、彫ってしまったからな。飾りくらいにしか使えないのはわ
かってたから、刃の部分も木で掘り出して、柄にくっつけたら形になりそうだ。だったら、置物に
しかならないんだし、強度はあまり関係なくなるだろうから細かく手を入れてしまえって目論んで
たんだ。
ああ、やっぱ、オレって、こうやって木を削るのって、好きだな。
いろんなことを忘れられる。
そうやって、どうにかオオカミの毛並みが満足行く出来になったときだった。
テルマとかいったと思うんだけど、オレの侍従の中で一番年嵩の男が、声をかけてきたんだ。
「失礼します。ジュリオさまがお見えになられております」
どういたしますか――――と、言外に訊ねられて、オレはしぶしぶ腰を上げたんだ。
「あ、これ、触らないで」
軽く頭を下げるテルマに、オレは、オレの居間の向こうにある応接室に先導された。
「兄上」
陶器の碗を傾けていたジュリオが、オレを認めて、椅子から立ち上がった。
ずんずんと近づいてきて、
「遊びに行きませんか」
って、オレの耳元で悪戯そうにささやいたんだ。
「………どこへ?」
オレは、ジュリオを見上げた。
こちらへ――と、オレの手をとって、さっきまで座ってた椅子の向かいにオレを座らせる。
「ああ、呼ぶまでさがっていいから」
軽く手を振って、ジュリオはテルマをさがらせた。
命令するのも、さまになってる。
オレとは雲泥の差だ。
「どうぞ」
ジュリオが、手ずから茶を淹れてくれる。
「あ、ああ」
勧められるまま、碗を手にした。
ぷんと、お茶のいい匂いが鼻先をかすめる。
「それで、どこに行くって?」
一口啜ってから、オレは、口を開いた。
「兄上がここにいてから、二年になりますよね」
「ああ」
首をかしげる。
わかってることだろ。
何を今更。
「城から出たことありませんよね」
と、にっこりと笑った。
艶然――ってやつかなぁ。
背中がぞくりとするくらい、色っぽい。
オレより、二つも下なのにな。
絶対、知らなけりゃ、オレのが年下に見られるに違いない。
「出たことはないけど?」
まさか――って、遅まきながら気づいた。
悪戯そうな笑いの正体を―――だ。
************* とりあえずここまでです。
遅々として進みません。
なかなかターニングポイントにたどり着かないのだな。うう。魚里自身が焦れますよ。
えとえと、これから、「僕とボビーの大逆転」を見ようと思ってるので。
イギリスに実際存在した、名犬ボビーの話です。
泣かされてきますとも。
最近見たDVDは、「イワンと仔馬」。ソ連時代のアニメーションです。
最近の放送禁止差別用後を使うと「せむしの仔馬」―――これが、元のタイトルですが。
結構有名な民話ですよね。
実は、これ見てて、ラスト付近で、仔馬に萌えた魚里です。これで、高x金書けるよなぁ。萌えつつ、踏ん切りがつかなかったりして。
なんとなく好きなライトノベル――
あからさまにBLと化した「炎の蜃気楼」はともかくとして。
それと同時期くらいに小学館のパレットか何かで連載されてた、「封殺鬼」シリーズ結構好きでした。
作者は、霜島ケイさん。今もこのシリーズを小学館のルルル文庫かなにかで連載中ですね。読んでないのは、魚里の好きなキャラが出ないからvv 読むか読まないかを決める基準って、魚里はそんなもんです。
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