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『王さまのお気に入り』3回目

 この章、恥ずかしくてですね、少しでも手を入れようと格闘してたんですが。
 負けました………。
 これ以上、手を入れられない。
 あくまで、ジュネです。
 すっ飛ばしてもよかったかもしれないのですが、ね。入れると入れないとじゃ違うかなぁと悩んだ挙句。





 アルジェント国王トラヴェリアスは、大国の王にしては珍しく、国王は王妃を持たず、妾をひとり持つぎりであった。

 トラヴェリアスは若いころに北の国の王女に恋をして、恋を成就させたのだ。妾の一人としてではなく、正妻として王女を迎えることが出来た。しかし、彼女はなかなか身ごもらず、世継ぎをとの家臣の進言も無碍には出来ず、公爵家の娘ソフィアを迎えた。王家の血筋を引くソフィアが生むであろう王子は、王妃の子として育てられることが前もって決まっていた。ソフィアが一年後にもうけたのは、しかし、姫だった。二人目、三人目と、どうしても王子を生むことはできなかった。

 そうして王は、王妃の勧めで彼女の侍女のひとりを妾として迎えることとなったのだ。

 エレナと言った侍女は、地方の小貴族の娘だった。彼女は、すぐに、身ごもった。しかし、生むことは、出来なかった。
 ソフィアとエレナふたりの間に、目に見えない緊張が生まれ、そうして、エレナの子供は、この世に生まれることなく終わったのだ。母親の命もはかないものとして、いくばくもせずに、エレナもまたこの世を去った。

 その直後だった。まるでエレナとその子の生まれ変わりででもあるかのように、王妃が身ごもり、待望の王子を産んだのだ。

 しかし。

 その直後の混乱と、国王の悲嘆は、アルジェントの暗黒と呼ばれるほどのものであった。

 そうして、今、先代の王妃が王子と共に行方知れずになって以来、王妃の座は、空白のままである。





 小身とはいえかりにも貴族の姫君が、公爵家のソフィアとその周りの者たちからどんな虐めを受けたのか。

 ひそやかに、侍女の間では噂が回っていた。

 王妃とはなれないまでも、未来の国王の母となるはずだった彼女は、その夢すらも奪ったであろう第一王子に対して、どんな感情を抱いているのか。誰も口にすることはなかったが、それでも、第一王子に恋人でも出来ようものなら、その恋人は、きっと、幸福を感じるよりも苦痛を感じることのほうが多いだろうこと、想像に難くなかった。







「わたしは、ただの、侍女です。それだって、分不相応で、わたしは最初、お城の門番の伯父のつてで、下働きをしていたんです」

 今にも泣き出しそうな少女の声に、

「侍女でも門番の姪でもかまわない。オ、私は、そなたの手を求めている」

 少女を見上げる少年の褐色のまなざしに、胸が痛んだ。

「わたしの手は、荒れています」

「オレ、私の母の手も荒れていた。働き者のそなたの手に、くちづけをさせてくれないだろうか」

 真摯なまなざしだった。

 王子の云う母とは、育ての母のことである。

 詳細はわからない。ただ、王妃は行き方知れずになってまもなく亡くなったということだけが、今となってはわかっていることだった。

 辺境の村長、セポー家の妻は、偶然、王妃の亡骸を見つけその腕に抱きしめられた王子を、そうと知ることなく拾いあげて育てたのだ。

 夫婦は、我が子と分け隔てせずに、王子を育てた。

 そのため、王子は、自分が四人兄弟の末っ子トマではなく、国王の第一王子オイジュスだとわかった後も、本来の場所に戻りたいとは思わなかった。

 王子にとって親とは村長夫妻であり、雲の上の神にも等しい国王は、まるっきりの異邦人でしかなかったのだ。

 多分、と、少女は、どこか遠いところで考える。

 今でも、王子さまは、ここがご自身のいるべき場所だとは、とうてい思えないのだろう。

 かわいそう。

 ふと、そう思った。

 王子のよく陽に焼けた小麦色の肌は、必要以上に肌を焼くことを好まない王宮では、異質だった。

 けれど、少女にとっては、馴染み深い肌の色だった。

 ただの町の少年のような王子を、たった今、少女は、まるで、籠に捕らわれた小さな生き物のように思った。

 それは、同情だったろう。

 雲の上の人に対して、不遜な感情でもあったろう。

 それでも。

 もしも。

 小鳥たちの求愛のさえずりが聞こえてくる。

 きららかに光を遊ばせる、泉の水面。

 やわらかく甘いそよ風に吹かれながら、身分の差を忘れて、ただの少年に戻った王子のなめらかな掌に、ただの少女の手が置かれようとしていた。

「ト……王子っ」

 大きな声が、その場の空気を揺り動かした。

 王子の手が止まる。

「兄き……ディル」

 ひょろりと丈の高い青年を、少女は知っている。王子の乳兄弟だった。

 王子を無事に育てたことで、国王は、貴族に列しようとした。しかし、セポー家の当主は、当然のことをしたまでと、辞退した。分不相応な褒賞は不幸の元だと。ならば――と、国王は、セポー家の三男を王子の乳兄弟として城に招くことにしたのだ。仲の良いセポーの家族は、ふたりと別れることを悲しんだが、三男と末っ子の出世を心から喜びもしたのだった。

 ディルと呼ばれた青年が、走ってくる。

「おま……王子。国王陛下が」

 ディルが全部を言い切る前に、

「オイジュス。何をしている」

 静かななかに深い威厳をたたえた声音が響いた。

 王子が、大きく震えた。

 大理石を鋭角に切り出したかの鋭い容貌だった。撫でつけた黒い髪が、その鋭さを、より際立たせている。

 ゆったりと足元まで覆う長い衣は国王のみがまとうことを許された禁色の黒。しっとりと艶やかな絹に、銀糸金糸で王国の紋章が縫い取りされている。

「国王陛下っ」

 少女があわてて腰を落とした礼をとる。

 王子が、壊れかけのからくり人形のように立ち上がった。

 しかし、王子が振り向く前に国王は歩み寄り、その両肩に背後から手を乗せた。

「何をしていた」

と、再度問い質す。

「な、んでもありません」

 王子の顔は、まるで自分の父親を恐れているかのように、蒼白だった。

 しかし、礼をとる少女に、王子の表情の見えようはずもない。

「そうか。ならば、私につきあってもらおう」

 そう云うと、王は、王子を従えた。

「仕事に戻りなさい」

 寂しそうに王子の後姿を見送る少女に、ディルとは別に王につき従っていた騎士が声をかけた。

 それに再び礼をとると、少女は転がるようにしてその場を去ったのだ。



 この後の自分の運命を、少女が知るはずもない。

 少女は、この日のうちに暇を取らされ、王城を後にしたのだった。



 それを王子が知ったのは、翌日のことである。

 王子は少女を探して城を出たが、結局見つけることが出来なかった。

 こうして、王子の初恋は、終わったのだった。



 こんな感じですね。
 しつこいようですが、ジュネです!

 話は変わりますが、今、9才の姪っ子が、『ときめきトゥナイト』とその後の話を読んでるそうで。
 久しぶりに、ランゼやら真壁くんやら懐かしい名前を聞きました。
 びっくりしたのが、ライバルだったようこちゃんが、学校の先生だそうで。お金持ちのお嬢様だったような気がするんですが。はて?
 懐かしいですねぇ。
 カークだったか、ダークだったか、真壁君そっくりの外人の兄ちゃんが結構お気に入りだったのですが。死んだんだよね、彼。当時、魚里の転ぶタイプの方たちというのは、俳優さんやら漫画のキャラやらの別なく、死亡の確率が高かったので、ああ、彼もかと、二次元三次元の別なくショックだったというxx

 『リトルミスサンシャイン』見ましたが。
 すっきりしないラストですよね。
 今一好みではなかったな。
 でも、勧められて見ようと思ってたのを見れて、すっきり。

 めちゃくちゃDVDを見まくってました。うん。

 『ナイトミュージアム』
 今更ですが、初見ですな。
 最初は、あまり食指が動かなかったのですが、以前白黒映画の『昇紘氏』―――『小公子』を見てから、靴屋のディック役の少年がじいちゃんになって出てると知って、見ました。ディック、ハンサムですvv アメリカの恋人と一世を風靡したアイドルですが、身長が伸び悩んで、後は、まぁ縁の下っぽい感じでしょうか。でも、マリリン・モンローという芸名をつけたのは、彼だそうですので、結構力はあるような。とまれ、じいちゃん警備員のうち一番ちっこいじいちゃんが、ディックの歳をとった姿だな。感慨深い。八十うん才。立派です。そっちに気を取られつつ、内容も、まぁ、楽しかったです。
 館長が食わせ者だろうと踏んでたのに、警備員三人組が食わせ者だったとは、とんだ伏兵ですvv

 『マナツの冒険』
 フランクフルトの一家族が主役のどうやら、『ジュマンジ』タイプの映画。
 マナツというニューギニアだかどっかだかの土着のゲーム盤に振り回されて、最後、ばらばらだった家族が癒されるという、いかにもありがちなストーリー。
 ジュマンジ――のが大掛かりではありますが、なんか、こっち、好きです。
 多分、ゲーム盤を送った、家族の奥さんの弟が、タイプだったからかもしれません。いい男でしたvv ちょい役ですがね。

 『プセの冒険~深紅の魔法靴~』
 フランス物。
 カトリーヌ・ド・ヌーヴが出てると思って借りました。
 あと、音楽担当が、ヒサイシジョウさんだそうです。
 ペローの『親指小僧』が元話です。で、結構忠実に映像化してます。内容知ってたら、ストーリー展開丸わかり。でも、まぁ、フランス物ですから、少々捻ってたりね。いろいろと違うところとかあります。お話を覚えてる方は、違うところ見つけたら面白いかな?
 惜しむらくは、主人公プセ役が魚里的に可愛いと思える子じゃなかったのが、惜しい。
 が、ヒロインの女の子が、めちゃ可愛いんですよっ。彼女見るだけでも、価値あるかも。いや、もう、ビスク・ドールのような――って、このこのためにある言葉だわって感動しちゃいました。

 『デスハウス~悪魔の館~』
 台湾映画。
 なんか、これ見て、台湾行ってみたくなった魚里って、変だよな。
 タイトルどおり、ホラーなんですが。
 映像が、一昔前のゴシック調なかんじです。
 よくあるパターン。
 外国から戻ってきた男が、遺産相続で古い家を継いで、恋人と住み始めるんだけど、そこでいろいろと怪奇現象が~~~ってやつね。
 首吊り屋敷~とかって結構センセーションな感じでCMありましたが、そうでもないです。
 怖がらせシーンは、さして怖くないです。
 淡々と見れますよ。
 ただね。
 この幽霊は、いったいなにが望みだったんだ~と、首を傾げました。
 ネタ晴らしになりますが。
 結局、まぁ、この男の母親が恨みを呑んで死んじゃったと。なのに、最後、この男のひと死ぬんですよね。でも、多分、恨みの連鎖は終わっていないのではないかと。
 終わってるのならいいんですが。
 恋人は、屋敷に住みつづけるみたいなラストになってましたからね。
 う~ん。こりも、主人公はある意味犬死だったのだろうか?

 『メモリー~殺戮のビジョン~』
 どうなんでしょうね、これ。
 ミステリーです。
 シリアルキラー物ではありますが、結構怖くないです。
 淡々と見れますよ。
 最後のオチも、いろいろとさりげない伏線があるので、やっぱりと。
 犯人は、う~ん。
 犯人の最後の辺の行動も、う~ん。
 面白いといえば、面白いとは思いますが、『ボーン・コレクター』好きな人はどう思うだろう。パターンですね。
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