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comics
 いつもご来訪ありがとうございます。

 なんだか最近週末とかきたら高階良子さんを読んでるような?

 最新シリーズで完結してるのを読んでました。ううむタイトル忘れてるというか覚える気がないのかもしれない。
 どこだったか一箇所、「少なくとも」を「少なくても」と植字してる箇所があった気がして探してるのですが、記憶違いではないと思うんだけどなぁ。すーっと読んでるから気づかなかったらそれまでかな。

 と、まぁ、そんだけですが。

 あとは、「Air 〜 貴の一族 〜」を書いてました。16年前半で書いてない。最近時間経つの早いのであまり意識してなかった更新頻度。年取った証拠だねぇxx そんなわけで、以下、ペースとしておきます。が、原稿用紙2枚程度です。

 黒狼がメインな回が続いてるなぁと思いつつ、まぁいいか〜と。



*****


 黒い山犬の姿になり、黒狼は尋の匂いをたどった。
 そうしてたどり着いたその場所で、思いもよらぬものを目にすることに、耳にすることになった。
 軽やかな笑い声をあげているのが、己の主であると、己が目を信じることができなかった。
 この二年を握りつぶされたかの衝撃に血の気が下がる心地だった。

 赤目の茂るその家の応接間に通され漆塗りの座卓に向かい周囲の気配に気を配っていた黒狼は、聞こえてくる笑い声に耳を疑った。
 その声の主が他ならぬ己の主人であるのだと、わからないような鈍さを持ち合わせてはいない。
 早鐘のような心臓が破れそうなほどに激しく血液を全身へと循環させてゆく。その痛みを遠くに感じながら、耳をそばだてずにはいられなかった。
 拙いピアノの音色。
 なにごとか黒狼にはわからない話題。
 それらの合間合間に響く笑い声。
 それらが途切れ、耳馴染んだ足音が近づいてくる。
 それまでの楽しさの名残のせいなのか、足音にはわずかの警戒心も感じ取れなかった。
 しかし。
 引き戸が開かれ、その黒い瞳が黒狼を認めた刹那に、それまでの輝きを消し去ったのを見た。
 興奮して赤く染まっていたその頬から血の気が消えたのを、黒狼は見た。
 背筋を伸ばした正座の姿勢から即座に立ち上がり、
「主さま」
と手を差し伸べる。
 尋の背後からこちらを覗き込むようにしてくる二対の眼差しに感じるのが、如何しようもない嫉妬なのだと、黒狼は自覚していた。
 なぜなら、彼らは、「ヒロくん帰るの?」と、いかにも無邪気に彼に向かって囁いたのだ。
 未だ名を呼ぶ許可さえも得られない己を顧みながら、おそらくは先までの笑い声は彼らに向けたものだったのに違いないと、考えるまでもないことを考えていた。
 それらの思考が断ち切られたのは、
「うん」
と、尋が黒狼の手に手を重ねたからに他ならない。
 それだけで、彼の心はほんの少しだけ暖かさを感じた。
 たとえ、尋の表情が優れないものだったとしても、彼に応えてくれたのである。それだけで、今はまだいい−−−と、黒狼は多くを望む己を戒めたのだった。
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