7回目
2016-01-13(Wed)
いつもご来訪ありがとうございます。
キットカットのわさび風味ググってみました。ら、ホワイトチョコなんですね〜。
魚里普通のチョコにわさび風味と思ってました。
ホワイトチョコは食べなくはないけど、好んで買わないなぁと思った。
ってことで、キットカットのわさび風味は買わないかな。うん。
** 魔王の死 **
滑稽極まりない道化師。
そうか。
そうなのだ。
魔王の目に、自分は道化師のように写っていたに過ぎない。
それは、悲哀だった。
羞恥だった。
恋する相手に同情を受けている事実に、どうして平静でいられるだろう。
しかも、この状況下で。
首に刃を当てられてなお、自分に対する同情心を語りかけてくる魔王に、これ以上の無様なさまを晒すことができるわけがない。
この場で死ぬのは、魔王でなければならない。
この場で死ぬのは、勇者でなければならない。
此の期に及んでどうしようもなく、思考が乱れる。
それを見越したかのように、魔王が、その手で刃を退ける。刹那、静電気のような青い火花がその場を照らして消えた。
*****
まるで抱き合うかのような魔王と勇者さまでありました。
互いに愛し合う一組のように、魔王と勇者さまは視線を外さずに佇んでいます。
床は一面バルドロイの血にまみれ、意識を失った聖騎士さまと聖魔術師さまが倒れています。
その場にいるのは、ただふたりと云っても過言ではなかったでしょう。
それは、どちらからだったのでしょう。
ふたりのくちびるが触れ合い、次第に深いものへと変わっていったのは。
「な、ぜ………」
長いくちづけの後で、荒い息のもと、勇者さまがつぶやきました。
「わからぬのか」
魔王さまのことばに熱はありません。
「同情ならやめてくれ」
苦しげな勇者さまのことばに、
「同情? 同情などでくちづけるような粋狂を我は持ち合わせておらん。我がバルドロイを探す日々、それはそなたに会うことのできる日々でもあったのだ。その日々のうちに、我はそなたを欲っするようになった。そなたもであろう?」
違うとは言わせぬぞ。
こんな絶望的な状況下にありながら、勇者さまの心は、小鳥の羽ばたきのように打ち震えました。
涙が溢れ出てきます。
「泣くことはあるまい」
勇者さまのながす涙を、魔王の過ぎた赤を宿したくちびるが吸い取ります。それは、勇者さまの頬を羞恥に染め上げるのに充分な行為でありました。
「怖がることはない。全てを我に任すがいい」
甘いささやきをつぶやき、魔王はそのまま勇者さまをつよく抱きしめたのでした。
その時です。
「勇者さまっ」
倒れていた聖騎士ジウリアが手にした弓を引き絞ったのは。
白銀の矢が、甘い空気を貫きました。
それと同時に、
「ダメだっ」
勇者さまが魔王を押しのけ、矢面に立ったのです。
声にならない悲鳴が、広間の空気を千々に引き裂きました。
聖騎士ジウリアの放った矢は、過つことなく勇者さまの心臓を貫いたのです。
「ユウマ」
低い声でした。
低い、絶望に彩られた声でした。
それが魔王のものだと、咄嗟にわかる者などおりませんでした。
ただひとり、勇者さまを除いては。
「魔王………………」
勇者さまの手が、その場にくずおれるように腰を落とした魔王の頬に伸ばされました。
「魔王などと呼ぶな。我の名は………アルバロ。そなたには我の名を呼ぶことを許そう。ユウマ。死ぬな!」
はは………と勇者さまが笑った途端、その口から、血が溢れ出しました。
「ユウマっ」
「アルバロ………泣かないでくれ。オレにはあんたを殺すことも、自分を殺すこともできなかった。こんな情けないオレなんかのために泣かないでくれ」
そのことばを最後に、大きく一つ息を吐いた勇者さまは、その褐色の瞳を閉じたのでした。
「っ!」
絶望の音色が、魔王の口からほとばしりました。瞬間、広く堅牢な広間に嵐のような風が吹き荒れはじめます。
聖魔術師が渾身の盾の魔法を組み上げます。
吹きすさぶ絶望の嵐は、広間を破壊し尽くしやがては宮殿をも破壊しつくさんとする勢いで荒れ狂いました。
やがて嵐が収まった時、そこに魔王と勇者さまの骸は残されておりませんでした。
仕方なく、聖魔術師と聖騎士たちはそこに転がっていた聖別された剣を拾い上げ、ミドガルズへと戻って行ったのです。
ミドガルズの王さまは勇者さまのための立派な葬儀を執り行いました。
骸がないとはいえ、聖魔術師と聖騎士から聞かされた出来事を信じるよりなかったのです。
事実、少しずつではありましたが、マモノの被害が少なくなってきていたのです。
勇者さまは亡くなられ、魔王は消滅したのです。
人々は喜び、亡くなられた勇者さまを讃え惜しみ、勇者さまのために神殿を建てたのでした。
そうして、マモノの恐ろしさも薄れはじめたころ、聖騎士さまの元に、信じられない知らせがもたらされたのでした。
キットカットのわさび風味ググってみました。ら、ホワイトチョコなんですね〜。
魚里普通のチョコにわさび風味と思ってました。
ホワイトチョコは食べなくはないけど、好んで買わないなぁと思った。
ってことで、キットカットのわさび風味は買わないかな。うん。
** 魔王の死 **
滑稽極まりない道化師。
そうか。
そうなのだ。
魔王の目に、自分は道化師のように写っていたに過ぎない。
それは、悲哀だった。
羞恥だった。
恋する相手に同情を受けている事実に、どうして平静でいられるだろう。
しかも、この状況下で。
首に刃を当てられてなお、自分に対する同情心を語りかけてくる魔王に、これ以上の無様なさまを晒すことができるわけがない。
この場で死ぬのは、魔王でなければならない。
この場で死ぬのは、勇者でなければならない。
此の期に及んでどうしようもなく、思考が乱れる。
それを見越したかのように、魔王が、その手で刃を退ける。刹那、静電気のような青い火花がその場を照らして消えた。
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まるで抱き合うかのような魔王と勇者さまでありました。
互いに愛し合う一組のように、魔王と勇者さまは視線を外さずに佇んでいます。
床は一面バルドロイの血にまみれ、意識を失った聖騎士さまと聖魔術師さまが倒れています。
その場にいるのは、ただふたりと云っても過言ではなかったでしょう。
それは、どちらからだったのでしょう。
ふたりのくちびるが触れ合い、次第に深いものへと変わっていったのは。
「な、ぜ………」
長いくちづけの後で、荒い息のもと、勇者さまがつぶやきました。
「わからぬのか」
魔王さまのことばに熱はありません。
「同情ならやめてくれ」
苦しげな勇者さまのことばに、
「同情? 同情などでくちづけるような粋狂を我は持ち合わせておらん。我がバルドロイを探す日々、それはそなたに会うことのできる日々でもあったのだ。その日々のうちに、我はそなたを欲っするようになった。そなたもであろう?」
違うとは言わせぬぞ。
こんな絶望的な状況下にありながら、勇者さまの心は、小鳥の羽ばたきのように打ち震えました。
涙が溢れ出てきます。
「泣くことはあるまい」
勇者さまのながす涙を、魔王の過ぎた赤を宿したくちびるが吸い取ります。それは、勇者さまの頬を羞恥に染め上げるのに充分な行為でありました。
「怖がることはない。全てを我に任すがいい」
甘いささやきをつぶやき、魔王はそのまま勇者さまをつよく抱きしめたのでした。
その時です。
「勇者さまっ」
倒れていた聖騎士ジウリアが手にした弓を引き絞ったのは。
白銀の矢が、甘い空気を貫きました。
それと同時に、
「ダメだっ」
勇者さまが魔王を押しのけ、矢面に立ったのです。
声にならない悲鳴が、広間の空気を千々に引き裂きました。
聖騎士ジウリアの放った矢は、過つことなく勇者さまの心臓を貫いたのです。
「ユウマ」
低い声でした。
低い、絶望に彩られた声でした。
それが魔王のものだと、咄嗟にわかる者などおりませんでした。
ただひとり、勇者さまを除いては。
「魔王………………」
勇者さまの手が、その場にくずおれるように腰を落とした魔王の頬に伸ばされました。
「魔王などと呼ぶな。我の名は………アルバロ。そなたには我の名を呼ぶことを許そう。ユウマ。死ぬな!」
はは………と勇者さまが笑った途端、その口から、血が溢れ出しました。
「ユウマっ」
「アルバロ………泣かないでくれ。オレにはあんたを殺すことも、自分を殺すこともできなかった。こんな情けないオレなんかのために泣かないでくれ」
そのことばを最後に、大きく一つ息を吐いた勇者さまは、その褐色の瞳を閉じたのでした。
「っ!」
絶望の音色が、魔王の口からほとばしりました。瞬間、広く堅牢な広間に嵐のような風が吹き荒れはじめます。
聖魔術師が渾身の盾の魔法を組み上げます。
吹きすさぶ絶望の嵐は、広間を破壊し尽くしやがては宮殿をも破壊しつくさんとする勢いで荒れ狂いました。
やがて嵐が収まった時、そこに魔王と勇者さまの骸は残されておりませんでした。
仕方なく、聖魔術師と聖騎士たちはそこに転がっていた聖別された剣を拾い上げ、ミドガルズへと戻って行ったのです。
ミドガルズの王さまは勇者さまのための立派な葬儀を執り行いました。
骸がないとはいえ、聖魔術師と聖騎士から聞かされた出来事を信じるよりなかったのです。
事実、少しずつではありましたが、マモノの被害が少なくなってきていたのです。
勇者さまは亡くなられ、魔王は消滅したのです。
人々は喜び、亡くなられた勇者さまを讃え惜しみ、勇者さまのために神殿を建てたのでした。
そうして、マモノの恐ろしさも薄れはじめたころ、聖騎士さまの元に、信じられない知らせがもたらされたのでした。
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