3回目
2016-01-06(Wed)
いつもご来訪&拍手コメントありがとうございます♪ レスは後ほど。
相変わらずこれといってネタがない状況なので、3回目です。
** 出会い **
森の中で何度マモノに襲われたことでしょう。最初の頃こそマモノとはいえ生き物の命を奪うことに抵抗があった勇者さまでしたが、ご自身が狙われてはそうも言っていられなくなりました。
そう。十日も経てば、勇者さまもマモノの命を断つことに躊躇なくなっておりました。
「あれは?」
勇者さまが指差す先を見て、一同の顔色が変わります。
「あれは、バルド村です」
説明する聖魔術師でしたが、顔つきが険しくなって行きます。なぜなら、遠目にも立木が枯れ、その奥にある広場を中心に肩を寄せ集めるようにして建っているのはもはや家と呼べるような代物ではなくなっていたからです。
駆け寄る一同の目の前には、廃墟と化した村があるばかりでした。
「ひどい………………」
誰かがつぶやきます。
思わず出た言葉だったでしょう。
焼け焦げた家の床下であったろう場所には焦げた屍体が転がっています。
なんとも無惨な有様に、彼らはその場に膝をつき黙祷を捧げたのです。
その夜は、その村から少し離れた場所にで野宿することになりました。
勇者さまはマモノに襲われた現場を見るのが初めてだったのでしょう。
あまりにも無惨な有様が目を瞑っても瞼の裏側にちらつくため、眠ることができないでおりました。
聖魔術師がマモノ除けと獣除けの呪いを切っているため、野宿とはいえ安全は約束されております。篝火を見つめていた勇者さまは静かに立ち上がると、その場を後にしたのでした。
何か目的があったわけではありません。
ただ、いてもたってもいられなかっただけなのでした。
そんな勇者さまを、丸い月は冷たく照らします。
夜の空は艶やかな天鵞絨のようでした。
波打つドレープが星々を宿し、流れる星の川のようです。
下界の無惨な現実とはまるで別世界の空に魅せられたかのように、勇者さまの足は歩みを止めませんでした。
どれほど歩いたことでしょう。
ふいに勇者さまは歩みを止めました。
少し向こうに黒々とした人影を認めたからです。
フードつきのマントを身につけているのでしょう。おそらくは人だと思えるものの、丈高いとわかるものの、男とも女ともわかりません。
マモノには二足歩行を得意とするモノもおりますが上体を屈めたスタイルでが通常ですから、スラリと立つということはありません。
こんな夜遅くに、こんなところでひとりぎり、いったい何をしているのでしょう。
昨今の不穏な世界の状況を鑑みれば、マモノに襲われない保障などどこにもないのです。
剣の柄に手を当てていつでも抜けるように心配りをしながら、勇者さまは人影に近づきました。
「ひとりなのか? マモノが出るかもしれないぞ」
なるべく驚かせないように、静かに声をかけました。
その時、何かが、人影のいる木の梢から飛び立つような気配がありました。
溜息をつくようなかすかな気配ののちに、人影は勇者さまのほうに顔を向けました。
月光がその輝きをひときわ強めたかのような錯覚がありました。
雲のない夜空から雷が下されてからだを射抜いた。そんな錯覚を勇者さまは覚えたのです。
振り向いたその人の美しい白皙の容貌は、勇者さまがこれまで見たどんな人物よりも麗しく優美なものでありました。流れ落ちる白銀の髪は夜空の星々を写し取ったかのようなきらめきをまとい、きらめきを受けた双眸は夜目にも鮮やかな、見る者をことごとく魅惑せずにはおれない琥珀の呪いを宿していたのです。
「心配無用。マモノというならばそういうそちらこそ危険ではないかな」
その声の蜜の滴るかのごとき甘やかなこと。
凍(しば)れる霜柱のごとく冷ややかなこと。
勇者さまを魅惑するような声は、しかし、低く、男性のものでした。
「オレは、大丈夫だ」
掠れた声で、勇者さまはそう言いました。
「こんなところで夜遅くに、いったい何をしているんだ」
「逃げた愛玩動物を探しに」
歌うような声に、
「時間を考えて行動したほうがいいと思う。特に、最近は物騒だから」
勇者さまの目は大きくなりました。
呆れればいいのか、驚けばいいのか、おそらくはわからなかったのでしょう。
「これからどうするんだ? ひとりで野宿しているのなら、オレたちの野営地に来るといい」
手を差し伸べる勇者さまに、
「供がいるのでな。申し出には感謝しよう」
「そうか。なら、気をつけて」
踵を返したその後ろ姿に、言わずもがなのことばをかけてしまう勇者さまだったのです。
レスです。
trap様
こんばんは。
余計なこと書いたかな〜と思いつつ、知った情報を漏洩(vv)してしまう魚里で申し訳ありません。
そうみたいですね。パティンキン氏は自分から耐えられないからと降板して、顔見せも拒否してるらしいですね。ですので、読んだ限りでは回想すらNGとか。そこまで徹底せんでも〜と思わなくもないですが。そういうもんなんですかね。
パティンキン氏あっての「クリマイ」だったとは! それは知りませんでした〜。最初からホッチメインだとばかり。まるで「相棒」のようですね〜。
それにしても、いきなり出ると思ったら、殺されるとは………。もしかしたらアメリカでは復活を願う視聴者がいるのかもしれませんね〜。根強いギデオンファン。で、そこをクリアにするための策とか〜っていうのは穿ち過ぎかな? ないこともないような気がするけど………ね。シーズン9ではプレンティスおねーさんがちょこっととはいえ登場してくれましたし。
ええ〜と、拙作ですがそこまで深く考えなくても大丈夫ですよ〜。「運命の恋人」をリメイクするために考えた部分なので結構あっさり目に進みます。そのための童話調の語り口です。いえ、いつもの語り口で進めたらディープになりすぎる上にとっちらかっちゃったので、こちらも苦肉の策ですxx 少しでも楽しんでいただけると嬉しいのですが。
そんなこんなで、今日はここまで。
おやすみなさい。
相変わらずこれといってネタがない状況なので、3回目です。
** 出会い **
森の中で何度マモノに襲われたことでしょう。最初の頃こそマモノとはいえ生き物の命を奪うことに抵抗があった勇者さまでしたが、ご自身が狙われてはそうも言っていられなくなりました。
そう。十日も経てば、勇者さまもマモノの命を断つことに躊躇なくなっておりました。
「あれは?」
勇者さまが指差す先を見て、一同の顔色が変わります。
「あれは、バルド村です」
説明する聖魔術師でしたが、顔つきが険しくなって行きます。なぜなら、遠目にも立木が枯れ、その奥にある広場を中心に肩を寄せ集めるようにして建っているのはもはや家と呼べるような代物ではなくなっていたからです。
駆け寄る一同の目の前には、廃墟と化した村があるばかりでした。
「ひどい………………」
誰かがつぶやきます。
思わず出た言葉だったでしょう。
焼け焦げた家の床下であったろう場所には焦げた屍体が転がっています。
なんとも無惨な有様に、彼らはその場に膝をつき黙祷を捧げたのです。
その夜は、その村から少し離れた場所にで野宿することになりました。
勇者さまはマモノに襲われた現場を見るのが初めてだったのでしょう。
あまりにも無惨な有様が目を瞑っても瞼の裏側にちらつくため、眠ることができないでおりました。
聖魔術師がマモノ除けと獣除けの呪いを切っているため、野宿とはいえ安全は約束されております。篝火を見つめていた勇者さまは静かに立ち上がると、その場を後にしたのでした。
何か目的があったわけではありません。
ただ、いてもたってもいられなかっただけなのでした。
そんな勇者さまを、丸い月は冷たく照らします。
夜の空は艶やかな天鵞絨のようでした。
波打つドレープが星々を宿し、流れる星の川のようです。
下界の無惨な現実とはまるで別世界の空に魅せられたかのように、勇者さまの足は歩みを止めませんでした。
どれほど歩いたことでしょう。
ふいに勇者さまは歩みを止めました。
少し向こうに黒々とした人影を認めたからです。
フードつきのマントを身につけているのでしょう。おそらくは人だと思えるものの、丈高いとわかるものの、男とも女ともわかりません。
マモノには二足歩行を得意とするモノもおりますが上体を屈めたスタイルでが通常ですから、スラリと立つということはありません。
こんな夜遅くに、こんなところでひとりぎり、いったい何をしているのでしょう。
昨今の不穏な世界の状況を鑑みれば、マモノに襲われない保障などどこにもないのです。
剣の柄に手を当てていつでも抜けるように心配りをしながら、勇者さまは人影に近づきました。
「ひとりなのか? マモノが出るかもしれないぞ」
なるべく驚かせないように、静かに声をかけました。
その時、何かが、人影のいる木の梢から飛び立つような気配がありました。
溜息をつくようなかすかな気配ののちに、人影は勇者さまのほうに顔を向けました。
月光がその輝きをひときわ強めたかのような錯覚がありました。
雲のない夜空から雷が下されてからだを射抜いた。そんな錯覚を勇者さまは覚えたのです。
振り向いたその人の美しい白皙の容貌は、勇者さまがこれまで見たどんな人物よりも麗しく優美なものでありました。流れ落ちる白銀の髪は夜空の星々を写し取ったかのようなきらめきをまとい、きらめきを受けた双眸は夜目にも鮮やかな、見る者をことごとく魅惑せずにはおれない琥珀の呪いを宿していたのです。
「心配無用。マモノというならばそういうそちらこそ危険ではないかな」
その声の蜜の滴るかのごとき甘やかなこと。
凍(しば)れる霜柱のごとく冷ややかなこと。
勇者さまを魅惑するような声は、しかし、低く、男性のものでした。
「オレは、大丈夫だ」
掠れた声で、勇者さまはそう言いました。
「こんなところで夜遅くに、いったい何をしているんだ」
「逃げた愛玩動物を探しに」
歌うような声に、
「時間を考えて行動したほうがいいと思う。特に、最近は物騒だから」
勇者さまの目は大きくなりました。
呆れればいいのか、驚けばいいのか、おそらくはわからなかったのでしょう。
「これからどうするんだ? ひとりで野宿しているのなら、オレたちの野営地に来るといい」
手を差し伸べる勇者さまに、
「供がいるのでな。申し出には感謝しよう」
「そうか。なら、気をつけて」
踵を返したその後ろ姿に、言わずもがなのことばをかけてしまう勇者さまだったのです。
レスです。
trap様
こんばんは。
余計なこと書いたかな〜と思いつつ、知った情報を漏洩(vv)してしまう魚里で申し訳ありません。
そうみたいですね。パティンキン氏は自分から耐えられないからと降板して、顔見せも拒否してるらしいですね。ですので、読んだ限りでは回想すらNGとか。そこまで徹底せんでも〜と思わなくもないですが。そういうもんなんですかね。
パティンキン氏あっての「クリマイ」だったとは! それは知りませんでした〜。最初からホッチメインだとばかり。まるで「相棒」のようですね〜。
それにしても、いきなり出ると思ったら、殺されるとは………。もしかしたらアメリカでは復活を願う視聴者がいるのかもしれませんね〜。根強いギデオンファン。で、そこをクリアにするための策とか〜っていうのは穿ち過ぎかな? ないこともないような気がするけど………ね。シーズン9ではプレンティスおねーさんがちょこっととはいえ登場してくれましたし。
ええ〜と、拙作ですがそこまで深く考えなくても大丈夫ですよ〜。「運命の恋人」をリメイクするために考えた部分なので結構あっさり目に進みます。そのための童話調の語り口です。いえ、いつもの語り口で進めたらディープになりすぎる上にとっちらかっちゃったので、こちらも苦肉の策ですxx 少しでも楽しんでいただけると嬉しいのですが。
そんなこんなで、今日はここまで。
おやすみなさい。
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