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ブラコンなんです 5
 いつもご来訪&拍手ありがとうございます♪

 「秘密」12巻までとりあえず。よ、よかった。あの救いのないラストに向かうかのような前ぶりが〜。そ、そうか。しかし、これ、どう読んでも、両思いだよね〜。ま、まぁ、あんなめんどくさい男止めときなさいと青木さんには言いたいが、惚れたもんはしかたないですよね。あくまでプラトニックってあたりが、業が深い気がする。どれだけでも美化できるもんな。遠距離だし。しかも、雪子さん、誰かと結婚してるし。いや、雪子さんが幸せなのはいいんですけどね。ただ、青木君の幸せが〜。哀れだ。が、本人はそれでも幸せなんでしょうねぇ。

 さてさて、今日はちょこちょこと、「ブラコン」を書いてました。
 少しだけね。
 眠くなったので極道にもぶち切れですが。
 昨日も眠くて6時に寝た魚里。このごろどうしたんだろう?

 それでは、以下、お目汚し。


※ ※ ※ ※ ※







 気がつけば、総ては弟のものになっていた。

 可愛い弟。

 けれど、時々憎たらしくてたまらなくなる。

 嫉妬だった。

 何もかもを持っている弟に対する。

 何もかもを自分から奪っていった弟に対する。

 醜い感情に戸惑いながら、それでも、メルロッサは、ユーベルを可愛がっていた。

 可愛いと思う心も、また、真実だったからだ。

 けれど、時々。

 たまに。

 自分に弟なんかいただろうか。

 そんな疑問が頭をよぎることがあった。

 そんなことない。

 打ち消しても、時々ふっと、浮かんでくるのだ。

 自分には弟なんかいなかった———と。

 メルロッサはからだに掛け布団をまきつける。

 寒くはないが、心細い。

 薄暗い部屋は、広さだけはたっぷりあって、思ったよりも空気は乾いている。

 それでも。

 光源は高い天井部分にある嵌め殺しの硝子窓だけだった。

 昔の当主が恋人との逢瀬に使っていたという地下室の片隅で、メルロッサは小さく蹲っていた。

 弟は、可愛い。

 誰よりも、可愛く、きれいで、賢い。

 だから、みんなが弟を好きになってもしかたがない。

 そう。

 自分みたいに、醜くない。

 だから、弟をみんなが可愛がっても、しかたがない。

 だから、総てがユーベルのものになってもしかたがない。

 跡継ぎはユーベルなのだと、母の口がゆっくりと動いた。

 ほんの少し前のことだった。

 ユーベルが、寄宿学校に行くと言って、馬車に乗った。

 見えなくなるまで、メルロッサは馬車の後ろを見送っていた。

 その後すぐだ。

 部屋に戻ろうとしたメルロッサを、母は地下室に閉じ込めた。

 これから、ここが彼の部屋なのだと。

 どんなに泣こうと、声が出ることはない。

 だから、メルロッサは必死にドアを叩いた。

 誰も、来ることはなかった。

 真っ赤になった手をさすりながら、メルロッサは、涙を流した。







※ ※ ※ ※ ※







 薄暗い部屋の中、白い顔がぼんやりと浮かび上がった。

 悲鳴が喉の奥で小さく弾ける。

 口を両手で押さえて、小さな顔の中大きな瞳が、それを凝視した。

 瞳と同じ色のドレスをまとった幼い少女が、部屋の中で、立ち尽くす。

 ドレスの色よりも顔を青ざめさせて、それを、彼女が恋い慕う養い親を凝視する。

「この部屋に入ってはいけないと、言いませんでしたか」

 声だけはやわらかく、しかし、養い親が静かに憤っているのだと少女には感じ取れた。

 口を開こうとして、

「謝罪は結構ですよ」

 遮られた。

 いつもこうだった。

 冷たい手の持ち主は、やさしい声で、彼女を拒絶する。

 その深い紫紺のまなざしは、自嘲を宿して彼女を見下ろすのだ。

「あなたは違いますからね」

「なぜでしょう」

「間違うなどありえないのですよ」

 やっと、戻って来られたと、戻ってきてくれたと、そう思ったのに。

 なぜ、あなたなのでしょうね。

 そう言われて、何度泣いたことだろう。

 自分は、彼を失望させているのだと。

 痛いくらいに感じた。

 今もまた。

 黒曜の城の奥深く、空を映したその扉は、王以外には立ち入ることができない。

 わかっていて、彼女は踏み込んだのだ。

 そこに、王の失望の原因があるのだと、そう誰かにこそりとささやかれたのだ。

 誰かは知らない。

 たくさんいる魔者のひとりだ。

 彼女のことを決して好いてはいない、大勢の魔者たちのうちの誰かひとり。

 噓だと、騙されているのだと、危惧はあったものの、知りたかった。

 だから、忍び込んだのだ。

 そうして、彼女は、見た。







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