2009-03-31(Tue)
やっとこ河あきらさんの「WONDER!」9巻を読みました♪
やっぱ、好きだなぁ。
出来すぎと思わなくないこともないけれど(あってる?)、なんだろう、河さんの書くマンガは好きなんですね。できれば、「赤き血の絆」をもう一度読んでみたいものですが。「忘れな草」だったかなんだったか、「さびたナイフ」だったかなぁ。「渡り鳥は北へ」だったか。家族からはぐれた女の子と男の子がであって、なんだか犯罪犯して、逃げる話――――は、苦手でしたが。意外と、「故郷の歌は聞こえない」がお気に入りです。あれは、やっぱ、北○鮮とかが絡んでるんかね。一番最初に河さんに引かれたのは、「いらかの波」でしたっけね。
ああ、なつかしい。
あのころの月刊マーガレットは、良作が多かったと思うが。
覚えてるのは、後、「由似へ」とかかな。いや、それよりも前かなぁ。「トライアングル物語」とかか? けっこう好きだったのが、さえぐさともさんとか、ひだのぶこさん(月刊だったかな?)とか、高丘千栄子さんとかだな。ああ、和田慎二さんの「超少女明日香」とか、柴田なんとかさんの「赤い牙」シリーズとか。赤い牙、萌えましたが、読みきりの、富士樹海の奥にある不思議な町かなんかに迷い込んで、死んだ女の人からうまれたって言う男の子と出会う話――とか、なんだか子供心に惹かれたもんです。たしか、当時は美内すずえさんも書いてたような。読みきりで、「忍者屋敷に春が来た」とか、コメディというかギャグというか。なんか、お面を後ろ前にかぶって走ってるシーンだけ覚えてますが。
友達が、りぼんとかなかよしを読んでるとき、魚里は、これらを読んでいたという。路線が王道から外れてる。それでも、友達に貸してもらったなかよしで、高階良子さんに嵌りましたねぇ。ホラー色の強かった時代です。怖かったけど、好きでした。
その後が、月刊プリンセス。秋田の少女コミックスはけっこう強かったよ。
カイユキコさんの短編が好きでしたしねぇ。「悪魔の花嫁」「王家の紋章」「イブの息子たち」「エロイカより愛をこめて」この辺が目当てでしたね。
ひとみとかボニータとか。「やじきた学園道中記」とか「アルカサル」とかだったかな。「エル」も好きだったなぁ。奥友志津子さん好きだったなぁ。「伯爵令嬢」もありましたねぇ。
プチフラワー。は、竹宮恵子さんとか萩尾望都さんとか佐藤史生さんとか。え~と、吉田秋生さんもすきでした。波津さんもいましたね。
で、花とゆめ。
「ツーリングEXP.」「ガラスの仮面」「天上の愛地上の恋」、川原泉さんとか。坂田靖子さんとか。
あとは~なぜか、ホラー系とかミステリ列になりまして。
ミステリDXだと、JETさん。黒田かすみさん、しかくのさん。かわいゆみこさんだったかなぁ? 「女王蜂」コミックスにしてた人。なんか違う気がする。最近はホラーMで、「絵画修復師キアラ」を連載してる人ね。
ハロウィンだと、篠原烏童さんとか。JETさんも書いてましたし。氷室なんとかさんも書いてましたね。
ミッシィ――「霊感商法~」とか、「Pet Shop of~」とか「幻獣の国物語」とか。「外科医東盛玲~」とか。
そのご、LCミステリィになって、「ラビットハンティング」(だっけ? タイトルうろですが)とか。沖なんとかさんの「黄泉人形」だったか、「冥界人形」だったか、なんかそういうシリーズとか。オミなんとかさんの「月姫」とか「ダキニ」とか。
今は、ホラーMですね。あと、サスペリアか。サスペリアは原作つきがメインだからともかくとして、ホラーMは、高橋葉介さん。池田さとみさん。が書いてるからなぁ。
う~ん、こうして並べると、凄いな。我ながら。読んでなかった時期ってないよ。うん。
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2009-03-29(Sun)
うちのPCは、写真を取り込む機能が壊れてまして、修理に出す気力すらない魚里なもので、写真のアップが出来ません。
それは、まぁ、他所でCDとかに落としてもらえば、取り込めるんですけどね。
頼んでみようかな。
悩みどころです。
ゴッド・アーミーとウィル・オ・ウィスプは、明日、出かける前に受け取るつもりだったりして。
最近はこのパターンが定着しております。
楽しみですvv
金曜日のルパンとコナン――録画してもらったビデオ(アナログだい)、古いテープにとってくれたもんだから、画面が揺れて揺れて、見てるのが苦痛でした。それでも最後まで見通した魚里は、偉い――のか、単なる偏屈か。
ま、まぁ、面白かったんじゃないですかね。
途中の夢見る少女な蘭ちゃんの妄想は、パスしちゃいましたが。
あいも変わらず、五右衛門ちゃんの出番は少なかったですが。―――高木君より少ないって、どうよ。って、いつものことかも。くくく。
ルパンは、お姫さまにもてますね。
自由の象徴だから、何かに縛られてる女性にとっては永遠の憧れなのかもしれません。
カール伯爵でしたかね? けっこうツボですが。
話的には、犯人わかりすぎなので、安心して、カールくんで(名前あってたかなぁ)妄想が出来ましたけどね。ツンデレ王子さまかなぁ。デレはなかったですが、あれ、内心では、けっこうお姫さまにデレデレですよね。お姫さまに婚約者とかあったら、内心かなり苦悩しそうなタイプと見ましたが。どうだろう。それでも、クール(外見だけは)に努めるんだろうなぁ。
ま、この人に萌えましたから、最後まで見れたって云うのもありかな。
コナンは、けっこう、優男が犯人ってあったりしますからねvv
ルパンは、テロップにもありましたが、お約束とノスタルジですね。カリオストロかいなとか思ったり。
コナンは、ま、あんなものvv いい子の蘭ちゃんが………苦手ですが。
ルパンのほうが、自由人の余裕で、一枚上手ということで。
勝敗は引き分けなんでしょうがね。
不二子ちゃん、コナン君に悪戯しちゃ駄目だよ~と、笑いつつ。
不二子ちゃんといえば、今回はじめて、声が老けたなぁという印象を感じました。あああ。そうか。声も老けるんだなぁと、しみじみしてしまった魚里でした。
2009-03-28(Sat)
拍手ありがとうございます。
気づくの遅すぎです。
冬目景さんの新刊二冊、「ACONY」1巻と「幻影博覧会」3巻、それに、「聖おにいさん」の3巻を読みました。
冬目さんは、絵が好きなんですよね。
絵が好きな漫画家さんって、内容がどうも魚里の好みに合わない方が多いんですけど。それって、BLに関してだけなんでしょうかね。BL以外だと、けっこう、内容も好みだったりするんですよね。なんでなんだろう?
冬目さんのお話は、何年か前に完結した吸血症の姉と弟の話がみごとに魚里のツボをついてくれていたのですが。ラストは―――ちょっとね。あれは、好みの分かれ目だと思う。もろ魚里の好みかもって脇役の男の子がいてくれたり、内容はしっとりダークだったのですが。楽しかったなぁ。
「幻影博覧会」は、探偵で主人公の松宮さん(あってるかな?)の何気ないしぐさが、ツボです。戦前の日本が舞台で、名家の出な主人公と、タイムトラベラーか何かで記憶があやふやな少女が巻き込まれる事件の数々。と書けば、派手な話かな――と考えそうですが、いや、いっそ、地味です。ノスタルジックな雰囲気を漂わせつつ、テンションがロウな少女と、ちょっと天然っぽいようなへたれなような探偵さんがどうなっていくのか、なんとなく気になるのでした。なんとなく――というのが、ミソな気がします。次くらいで終わりなんかなぁ? まだつづくといいな。
「ACONY」は、お茶の間的地獄少女――という腹帯のあおりがありましたが。これもけっこう、ロウな話だと。ハイテンションじゃないなぁ。そのほうがいいけど。ゾンビな女の子と、妖怪アパートに越してきた少年の日常って感じでしょうか。―――簡単すぎですが。これじゃ。
「聖おにいさん」は、今更ですよね。大人気だもんなぁ。
妖怪アパートといえば、前々から気になってた「妖怪アパートの優雅な日常」1,2を注文しました。
元々児童文学らしいのですが。
中学生あたりが対象とか。でも、去年くらいに講談社文庫から出ましたからね。読めるといいな。
注文といえば、河あきらさんの「WONDER!」9巻。他の本屋じゃ平積みしてるのに、前から取り置き頼んでおいた本屋さんじゃ注文扱いなんですよね。まだ読めない。ううううう。
クリストファー・ウォーケンの「ゴッド・アーミー」が届きました。「ウィル・オ・ウィスプ」と一緒に取りに行くつもりで、今からわくわくなんですね。両方とも楽しいといいな。
クリストファー・ウォーケンといえば、ウィレム・デフォーに似てるような気がして仕方がないんですが。そんなことないのかな。ふたりとも、好きな役者さんなんですけどね。
最近も、まぁ、やけ気味なんですが。ストレスたまりまくりでいかんともしがたい。
ベティの小さな秘密、マルタのやさしい刺繍、ハリーとトント、ホット・ロックをなにげにぽちっとな。
何やってんでしょうねぇ。
この上、ストーン・カウンシルとか愛してる・愛してない(だったかなぁ?)までやったら、どうしよう。
このごろ、本よりもDVDに嵌ってるよな。どう考えても。………
ベティの小さな秘密―――内容は、あらすじ紹介だけしか知らないんですが。むか~し見た、「キャメロットガーデンの少女」みたいなのじゃないことを希望しております。あれは………よくわからないというか、何でそういう展開になるんだろう的な話だったのですよね。心臓病で手術は成功したんだろうお金持ちの女の子が、貧しいへたれの男の子(青年?)と仲良くなって、父親に邪魔されて、父親を殺してしまって、男の子を男の子の夢だって云う都会へと送ってやる―――なんか、そんな話だったんですけど。多分、女の子が父親を殺しちゃったはず。何でそんな展開に~~とびっくりした記憶があります。
ま、まぁ、この話にも年上の男の子が登場しますが………せめて、ハッピーエンドを期待します。ここでしてもなぁvv
マルタのやさしい刺繍―――これも、あらすじ紹介しか知りませんが。こういうの見たいって思っちゃうから、年寄り好きなんて云われるんだろうなぁ。
でもな、自分だっていずれは年寄りになるんだし。ということで。
下着デザイナーになりたかったマルタさんが、無理解な旦那さんや息子をなんとかしながら、お友達に協力してもらってがんばる話。だと思う。
「やわらかな手」みたいな雰囲気かなぁ。どうだろう。と、思いつつ。← けっこうツボだったので。期待。
ま、やわらかな~は、少々ハードではありますが。性風俗が絡んじゃいますしね。でも、なんか、好きなんだよな。
話は変わりますが、昨日の、コナンとルパン面白かったんだろうか?
妹にビデオ録画はしてもらったんだけど、最後の九分が入ってるかどうか、なぞだったり。
子供向けマンガとちょっと年上向けマンガのコラボってどうなんだろう。
今年の劇場版コナン、どうしようかな。
去年でもう、止める! と、思ったんだけどなぁ。
ほんっとうに、ばれてるの? 最近テレビ見てないからわからんのよ。
肩透かしだったらどうしよう………。悩むな。
2009-03-26(Thu)
最近読んでるのは、篠田真由美さんの、「龍の黙示録」シリーズクライマックス上下巻中、上巻のラスト近くです。
タイトル名忘れてます。
この本がね、パソコン打つときに手を乗せるのに調度いい厚さなのですよvv 魚里にとってはね。
下巻が少々薄めですが、数ミリですから、二冊持ってって、使ってます。
明らか過ぎるほど使用目的間違ってます。
タイピング速度ですが、どうにか、十分間で、千文字越えました。
一秒で、0.19文字のタイプが、最速かな、今のとこ。
さてさて。
もっとも、誤字とか変換ミスがなぁ。
おうちに帰って、庭に面したマッサージチェアで呼吸法をやっていると、カラスがやってきました。
一羽だけ。
いつも来てる子ね。
固体識別は出来ないけど、飛行ルートが同じなので、多分同じ子。
さて。
目を合わさないように椅子から立ち上がって、買ってきたばかりのクロワッサンを取って来ました。
足元には、茶々がいて、とっくにカラスに気づいてて、蛇のまねしてます。
おもむろに、目を合わせて、クロワッサンを魚里の顔の横まで持ってきました。
どうするかな?
逃げるかな?
そろそろとガラス戸を開けて、茶々が出ないように気をつけながら、庭に。
いつも餌をやってるところまでそろそろと行きますが、ピラカンの枝から逃げないカラス。
そのまま、目を合わせないように、クロワッサンを割って食べられるんだよ~と、一口食べてアピール。
八等分して、餌場にしてる植木鉢の土の上に。
そろそろと戻ってると、背後で羽音。
窓ガラスに、ブロック塀に飛び移ったカラスの姿。
そのまま部屋に戻って椅子に座ると、数欠片加えて飛び立つカラス。
暫くして戻ってきたカラスは、魚里の見てる前で、最後まで欠片を食べて、飛んでったのでした。
たかられてますね、魚里。
2009-03-24(Tue)
拍手ありがとうございます♪
といいつつ、更新止まってます。駄目駄目です。
言い訳と近況を。
パソコンを最近本格的に習ってるわけなんですが。
デスクトップのキーボードがあんなに硬いとは思わなかった魚里です。
いや、押したつもりが、押せてないです。
指が短いからですね。きっと。筆圧高いし……関係ない? ですね。
カシッと音がして指がキーを掠るたび、悲しい気分になります。
でもって、今までにないくらいキータッチにいそしんでるせいか、腕が、筋肉痛気味です。重いxx どんだけ打ってるんだ~ってくらい、痛いというかだるいというか重いというか。でもって、キータッチの速度が、落ちてます。速くなるならいいのに、落ちるって。う~ん。悩みます。
基本自己流でタッチしてた人間なので、間違ってるというか、変なくせがついてます。だいたい、Bのキーを右手人差し指で打つ自体おかしいのです………xx 矯正に勤しんでるのですが、治らないですねぇ。
ああ、だるい。
だから、家に帰ると………xx
書きたいのは山々なのですが。
溜息ですね。
ローズ・ティ・オ・レ、飲んでみました。うん。軽い口当たりで、けっこう美味しかったです。魚里としたら、この味だったら、砂糖は要らないですが。薔薇は、ほんのり香る感じで、くどくなくて、いい感じですね。箱売りがないのが悲しいな。
カラス君が、やっと、庭に下りてました。
魚里んちの庭は狭いので、きっと、勇気が要ったんだろうなぁ。
それでも、食欲には勝てなかったか。
カラスは可愛いね。
大群は、まぁ、迫力ですが。
魚里の家に来るのは、2羽、せいぜい3羽くらいなので。
えと、暫く、更新滞ります。
すみませんxx
2009-03-21(Sat)
拍手、いつもありがとうございます。こ~んな、本当にしょうもない雑記にくださって、嬉しいです♪
今日はホームページを更新したので、連載、無しです。さすがに2本書き分ける力は――ないですxx
三ヶ月ぶりの更新でした。
われながら………xx
でもまぁ、こればかりは萌が降ってこないことにはかけないから………。あ、開き直りですね。すみませんxx
「憑かれたもの」だったと思うのですが、自分が前に書いた話のリスペクトです。ま、まぁ、元の話は、たった7枚というSS極まりないエピソードなので、いいかなとvv
とはいえ、相変わらず、ひとの名前をあまり書かないです。
郁也クンの名前が数箇所あるだけ。これでいいのだろうか………。
内容自体は、暗いのやら明るいのやら。微妙というか、落っこちすぎて、逆にハイ状態の郁也クンかもしれません。こうしないと正気を保ってらんないよ~って感じかもしれないですね。
ごめんよ~~~xx 魚里に気に入られたばかりに、悲惨な運命しか用意してもらえないなんて……かわいそう過ぎる。
でも、今回も、死にネタじゃないし。限りなく近いような気配は漂いますが。うっすらとね。
しかし、殺し屋で一番にイメージされるのが、「ツーリングEXP.」ってあたりがなぁ。あとは、「殺し屋さん。」だし。………でもまぁ、それをイメージして書いたわけじゃないんですよね。うん。ただ、書いてて浮かぶなぁって感じです。これ、違いは微妙ですが。
少しでも楽しんでいただけることを願いつつ。
某サイトさまで紹介されてたネス○のローズティ・オ・レ――ひそかに探してるんですけどね。
それだけってパッケージは発見されずじまいです。
お試しパックっていうのの中に二袋同梱されてるのを発見しました。まだ飲んでないけどね。ドキドキ。
高遠くんの薔薇ってわけじゃないですが、今日から魚里はシャンプーをセグレタからロザリウムに替えました。前に買っておいたんですね。やっとセグレタが終わったので、使えます。楽しみ♪
2009-03-20(Fri)
十回目です。
相変わらず短いです。
コメントありがとうございました。
レス、こちらで失礼します。
面白かったですか? 少しでも楽しんでいただけたのなら、嬉しいです。
いつの間にか、オレは、ひとごみから外れていた。
無意識に避けて、こうなったらしい。
不思議とひとの気配のない路地裏で、オレは、途方にくれていた。
建物と建物の間ではあるらしいが、勝手口も窓も見当たらない。
薄暗くまっすぐの、細い道だった。それでも、あちらこちらに脇道が見える。
これ以上脇道に入りでもしたらどうなるだろう。いやな予想に、オレは、首を振った。
ぼさっとしていないで、とにかく、元の道に戻らないと、ジュリオにもカルスタにも、迷惑がかかるに違いない。
方向転換をした。
そこで、オレは息を飲む羽目になったんだ。
オレよりも頭ひとつ以上高い位置にある一対の灰色の目が、オレを見下ろしていたからだ。
それが、まるで、喉元に当てられた白刃ででもあるかのような錯覚に、オレは、その場から駆け出したい衝動と必死になって戦っていた。
カルスタは、オレを嫌ってるんだろうな。
漠然とした感覚はあった。
それが、抜き身の刃とも思えるほどの嫌悪だったなんて、咄嗟に信じられなくて、オレは、どうしたらいいのか、わからなくなったんだ。
カルスタに嫌われるようなことをやった覚えなんかない。
だいたい、喋ったことさえ、数えるくらいなんだ。
薄ら寒い沈黙を破ったのは、
「兄上、こんなところにいらしたのですか」
ジュリオの明るい声だった。
「カルスタ。兄上を見つけたらすぐに戻ってくれないと。時間に遅れるだろ」
そういうジュリオの手には、花束がひとつ、それときれいに包まれた小さな包みが握られている。
謝罪を告げる硬い声を聞きながら、オレは、ジュリオに手を引っ張られて、そこに連れて行かれたんだ。
そこは、町外れの広場らしいところだった。
らしいというのは、今は大きな、しかし粗い造りの建物がひとつぽつんとあるからだ。
「ここは?」
「劇場です。といっても、王立劇場ではなく、町場の興行主が掛けるものですけどね」
一緒にきますか?
訊ねられて、オレはうなづいていた。
慣れたようすで裏口から入ってゆくジュリオの後に、オレはついて行った。
仕切られた小部屋に声を掛けて、ジュリオが入る。
甘い化粧のにおいに、かすかな花のかおりがまじっていた。
立ち上がってオレたちを、というより、ジュリオを出迎えたのは、ひとりの女性だった。
二十歳は過ぎているに違いない。目鼻立ちの一つ一つが大きく印象的な、彼女は決して美女というのではなかったが、野性的なという表現がしっくりするだろう。
恥ずかしいほど少ない布地のドレスは舞台衣装は、その女性らしい肢体を惜しげもなく強調している。
赤く塗られたくちびるに、
「ジュードさま」
蠱惑的な笑みが刻まれた。
年の割には大人びて見えるとはいえ、ジュリオはまだ十四才なのに、ふたりはオレの見ている前で、濃厚なくちづけを交わすのだ。
目のやり場に困るとは、このことだろう。
オレって邪魔者。
カルスタがドアの外で待っている理由がよくわかった。
けど、だから、オレは、外に出るのがいやだった。嫌われてるって知ってるのに、隣で並んでなんかいられない。だから、オレはこの場で、真っ赤になってたんだ。
背中は向けてたけどな。
「兄上。もういいですよ」
笑いを含んだ声だった。
「カリー。僕の恋人です」
ジュリオと同じくらいの背の高さのカリーの肩を抱いて、ジュリオが紹介する。
「こいびと?」
衝撃――いや、びっくりっていうのが、しっくりくるか。
名前すら本名を教えていないっていうのに、それでも、恋人なのか?
そんな疑問もあった。
「カリー。僕の兄ですよ」
にこやかなカリーは、
「いつも、ジュードさまにはよくしていただいていますの」
今日は楽しんでいってくださいね。
まぶしいばかりの歓迎だった。
派手な舞台だった。
もちろん、派手なばかりじゃない。
観客を楽しませるつぼはすべて押さえているのだろう。
客たちは、わき目も見ずに、舞台に食い入っていた。
舞台の中央で、ひときわ人目を引くカリーは、まさに劇場を支配する女王だった。
熱に当てられた気分だった。
ぼーっとなって、何をしても身が入らない。
陛下の目も、ジーンの目も、オレを見るたびに、いぶかしんでいるようだった。
けど、
なにがあった――
聞かれても、オレにも何がどうしたって、わかってなかったんだ。
いろいろ考えて、ジュリオに連れて行かれた劇場が原因だろうっては思ったんだけど。
それの何がこんなに気もそぞろにしてしまうんだろう。
カリー?
ジュリオの恋人が?
気に入ったんだろうか。
好きになったんだろうか。
弟の恋人を?
そんなばかな。
いくらなんでも。
気になって、確かめたくて、次の休日、オレは、ひとりで城を抜け出したんだ。
勇気が要った。
オレは、ジュリオとは違うから、それとなく助けてくれる友人なんていない。
だから、服装ひとつ替えるのも大変で。徒歩を覚悟した。
朝早く、遠駆けしてくると侍従に告げて、出たんだ。
お供を――って声が聞こえたけど、無視した。
無視したことが、どんな騒ぎにつながるかなんて、考えてもなかった。
*********** ここまで。
魚里自身、少々苦手なエピソードになりつつあるので、筆が進みません。
最初はこうなる予定じゃなかったんですが。
カリーさんが、ちょっと強烈だったのでしょうかね。魚里比率です。
そろそろ、転――にさしかかれるかな。
転だといいなぁ。
え~と、小人閑居してなんとやらというわけじゃありませんが、朝早くから、知り合いが貸して下さったエンドレス~なんとかっていうコンサートのDVDを見ておりました。
アイドル(だよね? 名前は挙げませんが、最近魚里の転んでる歌手の一人です)のコンサートは初体験なものですから、どうしようとうろたえつつ、見終えたという。
いや、う~ん。
ハムレットは無理があるだろう。リチャード三世も亡霊とはいえブロードウェイに現われるのはどうかと。服装も違和感ありすぎだし。―――多分、魚里の見方が変なんですよ。わかってますが。
演じるのがというのではなく、脚本の関係というか。展開としちゃ変だと思う。
使い古された台詞の羅列をまじめに喋る相手役に、同情を禁じえなくなりつつ。
舞台だからどうしても喋りが大げさになるんだよなぁと、わかったふりをしつつ。
それでもやっぱり、わざとらしさとオーバーアクション気味な演技は、魚里苦手だなとしみじみ。
アイドルのコンサートは、魚里には向かないのね――と、納得したのでありました。
でも、歌は好きですよ。
歌と踊りはね。
偉そうなコメントですな。失礼しました。
で、まじめに、「王さまのお気に入り」を書こうと奮起して、これだけどうにか書けたんですが、筆が止まったのは苦手なエピソードなのと、もうひとつ。
昇x浅の「悪夢」の続きに萌えてしまったためだったりします。
「憑かれたもの」だったかなんだったか、自分が書いたSSのリスペクトに萌えちゃったんですね。あれはあれで独立した話でいいのですが。ワンエピソードだしね。あんな雰囲気で――と思って書き出したら、10kb越えました。あれ? 今日中に書上げてアップとか思ってたのに、出来そうもないです。明日アップできるといいなぁ。どうなんだろう? 明後日は用事あるしね。奮起だ、魚里!
2009-03-19(Thu)
すみません。
えと、ですね。
タイピング練習のしすぎで、ダウンしてます。
めちゃくちゃタイプミスが多いのです。左手が、強張ってますxx
しかし、なんでああミスタッチをするんだか。
われながら、情けないです。
2009-03-17(Tue)
拍手、コメント、ありがとうございます。コメントのレスは、コメントのところにあります。
大吉なのですが、歯医者に行ってきました。
けど削られなかったので、セーフなのかな?
とりあえず、水が染みるところにフッ素処理だけしてくれました。最近流行りなのだろうか?
もう一箇所は、抜くか、歯茎まで削るかどっちかにしたほうがいいかもしれないです。どうしても食べ物が入るようになってるので、うん。抜くと、少しは噛みあわせが狂うらしいし。でも、削るのは、怖いし……。どうしましょう。悩みどころです。
精神的にへこたれてて、文章をかけない魚里は、所詮へたれです~。浅野君といい勝負だ。多分。
キータッチなんですが、ブラインドで出来てるのはできてるのですが、最近どうも運指が、変。よく間違います。まぁ、自己流ですからね。半ば矯正中かもしれない。治るかどうかはなぞですが。もっと落ち着いてゆっくりタッチするようにしようかな。
昨日、ライトノベルをチラッと書いてましたが、ふと思い出しました。というか、芋ずる式に出てきました。
まきゆう(漢字忘れてる)さんのリンドーユミカシリーズ。最近もどっかから出してる月光界の話ですよね。ユキミミとかがいた時代よりもかなり未来の話。このシリーズにかなり萌えました。たしか。
あと、なぜか、「風恋記」だけが読めたのが、六道慧さん。他の話はどうやっても読めなかったという。
「八頭大シリーズ」といえば、菊地秀行さんの初期ですよね。「バンパイアハンターシリーズ」よりも、こちらが好きでした。でも、「妖神グルメ」が、なぜか、一押し。う~ん。 どちらにしても、ソノラマ文庫は、絶版ですか。倒産したし。
ちなみに、全部、めちゃくちゃ古いです。ノスタルジーの世界だね。
2009-03-16(Mon)
相変わらず短いですが、九回目です。
もっとまとめてアップしたいのですが、今はちょっと体力がぎりぎりなので、すみません。
気分転換とか、たまには外の空気も吸わないととか云われて、その気になった。
そろそろ昼時ってころだったから、近くの森にでも馬で出かけて、そこで飯を食べるくらいかな
――って、承知したんだ。
けど。
おしのび――ってやつだった。
表向きは、たしかに、ジュリオとジュリオの乳兄弟と三人で王宮から比較的近くの森に馬で出か
けるということだったんだ。
その実は、城下にくりだすというものだった。
ジュリオの友人であるらしい貴族の家に立ち寄って、馬を預けた。
王宮の馬はどれも立派だから、町に連れてゆけば目立ちすぎるのだそうだ。
その貴族の厩には、下級騎士が飼うていどの馬というのが数頭揃えられていて、あらかじめそれ
を借り受けるという話をつけていたらしい。
服装も、馬に相応しいものを準備してもらっている。
この手際のよさからすると、ジュリオはおしのびの常習犯らしい。
カルスタというらしい、ジュリオの乳兄弟が供だった。
ジュリオよりも五つ年上ということだ。彼は、つねに鍛錬を怠らない騎士の鑑に相応しい、立派
な体躯をしている。
男なら、あんな体格だったらいいのにと、絶対あこがれるだろう。
むっつりと黙りこくっているのは、不機嫌なのか、それとも、元々がそういう性格なのか、判断
しにくいが、あえて訊ねることはやめておいた。
こっちこっち――と、こども返りしたかのようなジュリオについて歩きながら、オレは人混みに
酔いそうだった。
気軽に下町に足を運んだジュリオに、オレは、驚いてた。
いくらおしのびといったって、ジュリオは王子だから、もっと貴族たちと付き合いがあるような
待ちに行くのかと思ったのだ。けど、そういうと、ジュリオは、
「そんなとこ行ったら、ばれちゃうでしょう」
と、笑う。
そういえば、そうかもしれない。
「兄上とは違って、僕の顔は結構知られてるんだ」
へらりという。
贈り物を買いにいったりしてるしね。
「自分で?」
―――行ってもいいのか。
母さんと父さんの誕生日になにか贈ろうと考えてたけど……。
オレの考えてることを読んだみたいに、
「あ、兄上は、駄目だと思うよ」
「は?」
「僕の場合は、一応父上公認なんだけど、兄上が何か買おうと思ったら、店主を城に呼ぶことにな
るだろうね」
父上に聞いてみるといいよ。多分、そういわれると思うよ。
そんなことを、さらりと云ってくれた。
そこで、ふと、思い至った。
「じゃあ、オレがおしのびで出たなんて、へ……父上が知られたりしたら」
真っ青になる。
咄嗟に帰ろうかと思ったが、
「知られないためのおしのびでしょう」
と、へろりと返されて、なんか、オレの頭の中は、真っ白になってた。
所詮オレは田舎者だ。
育ったのは、辺境の森の中だし。
両側にびっしりと露店が並ぶ細い道に、ごった返す人の群というのには、慣れていない。
ひととぶつかるたびに謝りつづけ、相手を通そうと同じほうに動きつづけたり、背中に力が入りすぎて、今にも攣りそうだった。
オレは、やっぱり、屋根の下のほうが合ってる。
つくづくそう思った。
ジュリオは難なく買い物したり、店を冷やかしたり、楽しそうだ。
こんな人混みを掻き分けての買い物なんか、したことない。
辺境の祭は、はるかにささやかだ。
こんなひとの賑わいは、ない。
いったいどこから現われるのか、ひきもきらないひとの群だ。これが、王都の下町の日常なのだ
という。
************ ここまでです。
おしのび。
この前にもひとつエピソードをくわえる可能性もありますけど。こちらのほうが、オイジュス君が明るいんですよね。
さて。どうしましょうか。どちらにしても、突き落とされちゃう子ですからねぇ………。ごめん。
さてさて、明日歯医者です。
いやだなぁ。
でも、水が染みますし。噛んでて痛いときもあるし……。あとは、コーナーポケットの傷が膿んでるから、痛いというのありますし…………。どれだけですか。これ。
食べ物が美味しくないのよね。
でも、歯医者はなぁ。はぁ。
気分を変えて。
「ぼくとボビーの大逆転」
見ました。
クリストファー・リーも三段ぶち抜きで登場なさいました。
泣かされました。
でも、でも、ボビーのほかの犬は? やっぱり、殺処分……ですよね。
実話というだけに、どうしても諸手を挙げては喜べないのだなぁ。
2009-03-15(Sun)
七回目に拍手くださって、ありがとうございます。
八回目です。
短いですが。少しでも楽しんでくださると嬉しいです。
それから、オレは、少しは変わったんじゃないかな。
ジュリオにも、そう云われた。
陛下の表情も、なんとなくだけど、やわらかくなったような気がする。
久しぶりの休養日だった。
オレは一日かけて、作りかけの木彫りをやってしまおうって計画を立ててた。
ジーンはオレの休みに合わせて休みをとってるから、多分庭の離れにいるんだろう。
遊びに行きたい気持ちはあったけど、ジーンのことだから、勉強してるかもしれないし。
だから、オレは寝室の外の露台に胡坐を組んで、木を削ってた。
あたたかい陽射しと、やわらかな風、小鳥たちのさえずり。
そんなものを感じながら、二年前からずっと滞ってたオオカミの仕上げにかかった。
どう考えても強度が今一なんだけど、彫ってしまったからな。飾りくらいにしか使えないのはわ
かってたから、刃の部分も木で掘り出して、柄にくっつけたら形になりそうだ。だったら、置物に
しかならないんだし、強度はあまり関係なくなるだろうから細かく手を入れてしまえって目論んで
たんだ。
ああ、やっぱ、オレって、こうやって木を削るのって、好きだな。
いろんなことを忘れられる。
そうやって、どうにかオオカミの毛並みが満足行く出来になったときだった。
テルマとかいったと思うんだけど、オレの侍従の中で一番年嵩の男が、声をかけてきたんだ。
「失礼します。ジュリオさまがお見えになられております」
どういたしますか――――と、言外に訊ねられて、オレはしぶしぶ腰を上げたんだ。
「あ、これ、触らないで」
軽く頭を下げるテルマに、オレは、オレの居間の向こうにある応接室に先導された。
「兄上」
陶器の碗を傾けていたジュリオが、オレを認めて、椅子から立ち上がった。
ずんずんと近づいてきて、
「遊びに行きませんか」
って、オレの耳元で悪戯そうにささやいたんだ。
「………どこへ?」
オレは、ジュリオを見上げた。
こちらへ――と、オレの手をとって、さっきまで座ってた椅子の向かいにオレを座らせる。
「ああ、呼ぶまでさがっていいから」
軽く手を振って、ジュリオはテルマをさがらせた。
命令するのも、さまになってる。
オレとは雲泥の差だ。
「どうぞ」
ジュリオが、手ずから茶を淹れてくれる。
「あ、ああ」
勧められるまま、碗を手にした。
ぷんと、お茶のいい匂いが鼻先をかすめる。
「それで、どこに行くって?」
一口啜ってから、オレは、口を開いた。
「兄上がここにいてから、二年になりますよね」
「ああ」
首をかしげる。
わかってることだろ。
何を今更。
「城から出たことありませんよね」
と、にっこりと笑った。
艶然――ってやつかなぁ。
背中がぞくりとするくらい、色っぽい。
オレより、二つも下なのにな。
絶対、知らなけりゃ、オレのが年下に見られるに違いない。
「出たことはないけど?」
まさか――って、遅まきながら気づいた。
悪戯そうな笑いの正体を―――だ。
************* とりあえずここまでです。
遅々として進みません。
なかなかターニングポイントにたどり着かないのだな。うう。魚里自身が焦れますよ。
えとえと、これから、「僕とボビーの大逆転」を見ようと思ってるので。
イギリスに実際存在した、名犬ボビーの話です。
泣かされてきますとも。
最近見たDVDは、「イワンと仔馬」。ソ連時代のアニメーションです。
最近の放送禁止差別用後を使うと「せむしの仔馬」―――これが、元のタイトルですが。
結構有名な民話ですよね。
実は、これ見てて、ラスト付近で、仔馬に萌えた魚里です。これで、高x金書けるよなぁ。萌えつつ、踏ん切りがつかなかったりして。
なんとなく好きなライトノベル――
あからさまにBLと化した「炎の蜃気楼」はともかくとして。
それと同時期くらいに小学館のパレットか何かで連載されてた、「封殺鬼」シリーズ結構好きでした。
作者は、霜島ケイさん。今もこのシリーズを小学館のルルル文庫かなにかで連載中ですね。読んでないのは、魚里の好きなキャラが出ないからvv 読むか読まないかを決める基準って、魚里はそんなもんです。
2009-03-14(Sat)
七回目です。が、めちゃくちゃ少ないです。この後少々動きがあるのですが、そのエピソードをどう挿入しようか悩みながら書いてるので、どうも、ノリが悪いのでした。
六回目に拍手、ありがとうございました~♪
「おまえが王さまになりたくないって、知ってるけど――。けど、王さまって、悪くないだろ」
ジーンとオレ以外には誰もいない寝室で、寝る前に飲まされてる薬の準備をしてくれながら、ジーンが小さな声で云う。
「やだよ。オレの一言で、何でもかんでも決まっちまうんだ。今日だって陛下は、罪人の処罰の書類に署名してたけど。あれのうちの何枚かは死刑の決定だった…………。ひとの生死とか決めなきゃなんないなんて、考えられない。そりゃあ、罪の報いなんだろうけど、けど、さ。それに、外交なんて、捌ききる自信ないって」
銀の盆に銀のずっしりとした杯が乗っている。それを受け取りながら、オレは顔を顰めた。
「軽く考えるっていうのも問題だけど、おまえみたく考えすぎっていうのも、問題だよな」
ジーンの青い目が、ランプの明りにきらめく。
「まぁ、今の王さまが出来過ぎっていうのもあるんだろうな。お前が、そこまで萎縮してるのは」
蜂蜜をひとたらしほんのり甘い、けど、癖の強い薬湯を、オレは、凝視する。
「もっと鷹揚にかまえてもいいと思うぞ。オレは、お前じゃないから、こう云えるんだろうけど。そうだなぁ。王さまの周りには、出来のいい相談役とかが何人もいて、王さまは彼ら に相談したり任せたり、自分はなんにもしないっていうひとだっているんらしいんだけどさ」
――――それでも、いいんじゃないか?
がんばって、それでも駄目なら、そういうのだってありだろう?
「傀儡でいろって?」
薬を飲む勇気が出ない。
これは、毒なんだ。
毒にからだを慣らさなきゃならないんだ。
「ま、それができるようなら、はなっから悩まないよな」
――――オレが、相談役になれるようにしっかり勉強してやるよ。
「ほんと?」
「ああ。その代わり、オレがおまえを傀儡にするかもしれないけどな」
「ジーンなら、いいか」
杯の中で、薬の面が、揺れている。
「馬鹿、冗談だって。まったく。生真面目すぎるんだよな。おまえってば。………あんまり悩みすぎるなよ。さっさとそれ飲んで、寝ちまえ」
王さまになってもずっと、ジーンが傍にいてくれるんだったら、それなら、がんばれるかもしれない。
そう。
いつだって、ジーンは、頼りになる兄さんなんだ。
けど、いつかはオレの傍からいなくなるかもしれない。父さんと母さんのところに戻って、オレはここで独りっきりになるんだ。――――考えてみれば、そんな不安がいつだってオレの心の底にはあったらしい。
不安が現実になるのが嫌で、ジーンに面と向かって訊ねることすらできなかった。
いつか、帰るんだろう? ―――― って、聞いて、肯定されることが怖かったんだ。
それがオレの単なる悪い妄想なのだったら、だったら、オレも、ジーンが安心して勉強できるように、力になろう。
ずっと、ここにいてもらえるように。
陛下が怖いって、云ってられない。
陛下の跡継ぎに相応しいように、努力しよう。
なんとなく、久しぶりに胸の痞えが取れたような気がして、オレは、一息に毒を飲み干したんだ。
************** ここまで。
「金色のコルダ f 」を、プレイしてました。
簡単バージョンです。
で、ターゲットは、加地くんです。今は、二回目のアンサンブルが終わったところです。
土浦(前の日記に火浦くんて表記してましたね。あややxx)くんがしたいのですが、が、結構、加地くんも好みなのでした。
で、この子をターゲットにしてたらば、もれなく柚木さんがついてらっしゃいまして。わはは。そうなんかぁ。いや、嫌いじゃないですが、二面性のお方。
ふたりとも、コミックスじゃ影薄いですし、切ないパートが多い方ですしね。
今回は、攻略本も入手したのですが、わからんね。攻略本見ながらでも。見方が今一わかってないしね。うん。
最後にどんなエンディングが待ってるのかな?
しかしこれ、最初のゲームに比べて、恋愛要素が強いですよね。
最初のゲームは、恋愛全部切り捨ててコンサートにかけることもできたんだけど。
今回のこれ、そういうことできるのか? というか、してもゲームになるんだろうか? よくわからないんですが、その辺。
2009-03-12(Thu)
えと、今日はアップするほどかけませんでしたxx
すみません。
拍手、ありがとうございます! 励みになります。
食べるとき右の奥歯が痛い。あまりに痛いのですが、これが虫歯じゃないという確信はあるんです。歯の裏側からもう1本歯が生えてて、そこが三角コーナーみたくなってるから、まぁ、食べてるものとかがはまっちゃうんですね。で、それにしても痛い。腫れてるし……と思ってましたら。出てきました。楊枝の先…………xx 形が形なだけに、歯磨きだけじゃ汚れが落ちないので、どうしても楊枝のお世話になるわけですが。魚里が気づかないうちに、楊枝の尖ったほうが折れて入ったままというか突き刺さっていたらしいです。そりゃあ、そこに食べ物が入ったら、痛いわけですよ。これで治まってくれるといいのですが。まだ残ってたりして………xx 治療の後神経抜いてる箇所があったりするので、微妙に鈍いところとかあるんだろうなぁ。気づかないって………xx 鈍いにもほどがある。
え~。
魚里ってば、最近の我が身のあまりのストレスに、ただでさえストレスの原因になる金銭を使ってしまって、どうにもこうにも。
金色のコルダ――の次のバージョン、PSP で、買っちゃいました。
ウィル・オ・ウィスプ………同じく。
ゲームは高いって言うのに。
何やってるんだか。
われながら、なんというか。
ま、まぁ、救いというか。今月は、あまり読みたい本が出てくれないっていうのもあります。二冊だもんな。うん。欺瞞だ………。
清水玲子さんの、「秘密」6巻を読みまして。
4巻あたりから、ちょっと引き気味だったのですが。
いえ、ミステリィの内容そのものじゃなくです。
うん。
恋愛臭が漂ってきたものですから。
嫌、別に、いいんですが。
清水さんの絵、好きではあるのですが。
ほら。
王道のカップリングになりそうな気配がというか、矢印が、王道方向に向きそうというか。
ですから、室長が、青木君に矢印向けてそうじゃないですか。でもって、どうも、その、作者さんの好みは線の細い方は受けっぽい印象だし。室長さんは、どうも、眠れないっていう精神的なことが原因で、少々Mらしいですし………。なんか、誘い受けしないでよ~と、おろおろしてた魚里です。ま、まぁ、室長さんは、プライド高いので、ないとは思うんですが。精神的に不安定だからなぁと、心配してます。
そのあたりの諸々が影響して、7巻読めるかなぁ………。実は、6巻の後半部分はぱらぱらとめくっただけというていたらく。
男女の恋愛だったら、別にこう拘らないのですが。するっと無視するか、鬱陶しいなぁと思うか、まいいかと萌えるか――なんですがね。結構淡泊。なのに、男同士の恋愛になるとどうしても、自分の好みに対するこだわりが強く出ちゃうんですよね。所詮、好みのうるさい腐女子であります。はい。
そんなこんなで、「金色のコルダ」コミックバージョン12巻。も、読みました。
これは、男女物ですが。
が~~~~。
うん。
主人公矢印月森君が、苦手です。
これは、魚里の好みが、月森君じゃないというだけが原因とは思われるのですけどね。
火浦君が印象薄めで寂しいのと、新しいキャラは、所詮当て馬だろうなという悲しさがありまして。
コミックスなら、王道の展開だろうなぁと。
ああ、そうか。
魚里は、王道の展開が、駄目に感じるんだな。
わかった。
だからか。
どうにもこうにも、読み直せないの。
ここまで書いたから、つらつらと。
「BONES」1話目だけ見た印象が、「科捜研の女」とか、愛彦くんとかって名前が主人公の息子の名前の検察医がらみのミステリィをだったのですが。結構、雰囲気近くないですかね。
日本の検察医がらみの二時間ミステリィだと、魚里、室生なんとかさんが好きです。うん。左とん平さんとかが出るやつね。最近見てませんが。
一時間物の刑事ドラマで好きだったのが、「特捜最前線」だったしなぁ。「はぐれ刑事純情派」も、結構いけましたね。まぁ、はぐれシリーズは、見れたの純情派だけですが。難を云えば、安浦さんと両思いのスナックのママが、どうも出来すぎで、苦手でしたが。岡本麗さんのが、好きだったり。普通な感じでいいじゃないですか。その辺は男のファンタジィよねと、割り切っては見てましたがvv
最近は、ドラマ見てないなぁ。
2時間物すら見てないからな。
テレビを一日で見るのって、平均して一時間くらいかな。たいてい、他ごとしてるからね。
だから、個人的には、デジタル放送とかを機会にして、テレビ無しの生活でもいいのにと、思ってたりします。普通にフリーズするもんね。うざいでしょう。どう考えても。病院とかでデジタル放送見たら。
政治家も見たくないし。
まぁ、今の総理は、顔だけは好きだったりします。うん。所詮、悪役好みさ。K氏は、顔も雰囲気もだいっ嫌いだったので、そのときからテレビなんか見とうないはと、嫌悪感が付きまとうようになりまして。出なくなると思って安心してたのに、所詮目立ちたがりか。
そんなところかな。
思い切って吐き出してみました。
失礼しました。
2009-03-11(Wed)
ちょこっとしか書けませんでした。
少しでも楽しんでいただけると………大丈夫かな? 中途半端だし。
えとえと、5回目、コメントありがとうございました~♪
6回目。
陛下が、怖い。
あれから、陛下の視線が、やけに、恐ろしく思えるようになってしまった。
情けないけど、あの時の恐怖があるから、必死で、陛下を父上と呼ぼうとがんばった。
それで、つっかえながら、どうにか、父上と呼べるようにはなったんだ。
けど。
わかるだろう。
心の中では、陛下は陛下のままなんだ。
一緒にいた時間が違いすぎるんだ。
だろう?
陛下のすっと釣り上がり気味の眉が、が、つっかえるたびに、顰められる。
陛下の意志の強そうに引き結ばれたくちびるが、何かを云いたそうに引き攣れる。
また、あんなに怒られやしないだろうかって、オレの背中が、ぴりぴりと逆毛立つ。
だけど。
オレはどうしたって、木彫り職人の息子だっていう意識が抜けない。
木彫りで身を立てたいって、強く思うようになってしまった。
多分、これは、逃避なんだろう。
わかってるんだ。
それでも。
どれだけ眠くても、木切れと小刀を持たないではいられなくなっていた。
木を掘りながら、うとうとしていたらしい。
危ないだろう―――と、ジーンが小さくささやく。
「明日もはやいんだし」
こっそりとささやく言葉は、あまり昔と変わらない。少し、やわらかな口調になってるけど、そ
れは、仕方ないのかもしれない。誰が聞き耳たててるかわからないしな。あえて変えないようにし
てるんだろうと、ジーンのやさしさが、心に染みる。
普通の大きさのときは、ジーンも、丁寧な言葉を使う。
それが、寂しくてなんなくてさ。
まだ、ここに来たばかりのときだったから、盛大にごねたんだ。
こっそりと、離れのみんなの家に行ったときだったけど。
そのときの約束を、ジーンが忘れないでいてくれるのが、オレにとっての慰めだった。
はっきり云って、ジーンがいなけりゃ、オレは、きっと、どうやってでも城から逃げ出したに違
いないんだ。
ジーンは、時々オレに勉強を教えてくれている偉い学者先生と対等に話したりしているから、こ
こで時間を貰って勉強することが楽しいんだろう。
ジーンの勉強時間は、オレが勉強したり武術の訓練をしている間なんだ。どうも、これって、特
別扱いらしいんだけど。でも、ジーンの頭がいいことは、いつの間にかまわりに知られるようにな
ってたから、表立っては誰も何も云われないみたいなんだ。
あまりオレも邪魔はしたくないけど。
ジーンは、多分、オレより忙しいはずだから。
まじめに復習したり予習したりしてるのに、オレの面倒を見なけりゃならないし。いったいいつ
寝てるんだろう。
ジーンが勉強してる間は、オレの身の回りは、別の小姓がみてくれてる。けど、オレがやらない
といけないことを終えた後は、ジーンがみてくれる。そういう決まりになっているらしい。
ジュリオにきいたんだけど、ひとりの王族に小姓は十人近くいるみたいだから、オレの世話をや
いてくれる小姓の数が特別多いってわけじゃないんだろう。それでも、オレ、服を着るのも風呂に
はいるのも、靴を履くのだって、基本独りでできるんだ。当然だろう、赤ん坊じゃあるまいし。
風呂なんか、裸を他人に見られたくないって意識のほうが強すぎる。
オレのからだは、どんなに鍛えても、悲しいかな、筋肉がつかない性質らしくて、まだ、あばら
骨が見えるんだ。そんなの、ジーン以外に見られたくない。
色々あって、結局、オレは、ジーンに頼っちまうんだ。
甘えてるよな。
当然って、甘えてる。
変なところで、オレ、我儘になってるみたいで、なんか、ジーンに申し訳ない。
でも、そう云ったら、
「俺は、お前の面倒を見るって云うことで、勉強させてもらってるからな。それに、お前の我儘な
んかなんてことないしなぁ」
って、笑いながら、答えてくれたんだ。
オレ、思わず泣きそうになって、
「泣くやつがあるか。まだまだ、ガキンちょだな」
って、ジーンに額をこつかれちまった。
こんなとこ誰かに見られてたらことだから、こっそりとだけどな。
2009-03-10(Tue)
「しょうきち」を変換すると、どうしても「庄吉」となる。いちいち「庄」を「小」直すのがめんどいです。庄吉くんなんて書いたことないのになぁ。
えと、今日は、すみません。つづき無しです。
明日から魚里は期間限定で学生に戻っちゃうので、その準備でおたおたしておりました。
三ヵ月後、どうなってるんだか。謎です。
えと、拍手と、コメントありがとうございます♪ やっぱ、いただけるのはいいですねぇ~ほんわり。
お返事は、コメント欄においてます。
2009-03-09(Mon)
5回目は、短めです。
ぐだぐだと悩むオイジェス王子です。相変わらず、他人の地雷を踏むのが上手いかも。ごめん。
馬にはどうにか乗れるようになった。
剣も弓も、形だけなら、な。誰かと対戦するのも、狩りに出かけるのも、苦手だけど、付き合えと云われれば付き合わないわけにもいかない。
なぜって、付き合えって云うのは、陛下がほとんどで、あとは、ジュリオだからだ。
忙しい陛下が毎日みたいにオレに会いにきてその日の成果を見たいと云われたら、畏れ多すぎて、断るなんて出来ない。
ジーンは、ジュリオが俺に近づくのをあまり快くは思ってないみたいだけど、それでも、兄上と云って慕ってこられると、無碍にも出来ない。
たまに、おしのびで狩りにと誘われると、やっぱり、断れないだろ。
どう考えたって、オレなんかにふたりが気を使ってくれてるんだってわかるんだから。
陛下といえば、夕飯以外のときにも、最近はオレを身近に置くようになった。
結構これがきつくてさ。
毎日の勉強に加えて、陛下が執務室での仕事や謁見をしているとき、その傍で見ていなければならない。ぼんやりと見てるだけじゃなくちゃんと目や頭を働かせてないと、不意打ちみたいに問いかけてくるから、気を抜けない。
陛下の家臣の目もあるから、下手なこと云えないし。
オレがどれだけ神経をすり減らしてるか、わかって欲しい。
なのに、ジュリオは、
「兄上がうらやましい」
って、云うんだ。
なんでよって、思った。
そりゃあオレは今は皇太子なんだけど、その前は、ジュリオが一番その座に近かったわけだ。だから、陛下は、今のオレにしているようなことを、とっくにジュリオにしてるはずだって思ってた。
けど、違ったんだ。
「兄上が行方不明のあいだも、私は第二王子というだけの存在でしたから。第二王子なんて、父上にとってはいてもいなくてもかまわない存在に過ぎないんです」
今も昔も―――――
なんて、寂しそうに云うんだ。
「今も昔も、父上が愛されているのは、お后さまと兄上だけなんです」
夕飯すら一緒にしたことがないと云って、オレよりも大人びてるジュリオが諦めたように笑って見せるのに、なにが云えただろう。
金髪で青い目のジュリオは、オレよりも頭ひとつぶん背が高い。南方の血をひいている浅黒い肌は、たくましさを際立たせている。まだ十四なのに堂々とした態度は本当に、彼こそが次の王には相応しいといわれるのももっともだって思ってしまう。
だから、ジュリオの母親にオレが嫌われてても仕方がない。
ジュリオによく似た豪華な美女である彼の母さんは、后じゃない。あくまでも、妃にすぎないんだそうだ。王の妃ということは、その、妾ということなんだそうで、ジュリオは、あくまでも妾腹ということになるらしい。
三年前引き合わされたときの彼女のあでやかな笑みに、怖さを感じてしまったのは、あながちオレの不安ばかりのせいではなかったのだろう。
そんなことも頭にあったんだって思う。
―――ああ、呼称な。突然変わったって、びっくりしただろ。
うん。変えて一年くらいになる。
オレは、自分を僕と呼ぶことをやめたんだ。本当なら、私とか気取ったほうがいいんだろうけど。そのほうが、だから流れの民は――なんて眉を顰められないで済むんだろうけど、あの時は、いろんなことに腹が立ってたんだ。
いくらオレが内にこもるタイプだっていったって、堪え切れなくなるときだってある。
そう。
一年前。
とにかく当時のオレは、必死でがんばってた。
自分向きじゃないって重々わかってることを――だ。
それでも、陛下とジュリオとジーン以外は、眉をひそめる。
だから、オレは疲れちまってて、陛下にお願いしたんだ。
陛下がオレに甘いってことは、周囲が一番嫌う現実だったけど、背に腹は変えられなかった。
陛下のことを、オレは、まだ、一度も父上と呼んだことはない。陛下も、別に、気にはしていないみたいに見えてた。でも、なんとなく、陛下がオレを見る視線に、オレの態度に対する苛立ちのようなものがあるって云うことは、うっすらとだけど気づいてたんだ。だからって、呼べるはずもない。オレにとっては、陛下は、陛下なんだ。自分が陛下の血を引いてるなんて、どう考えたって、本当のことのようには思えない。そんなオレを知ってて、陛下は、オレを甘やかすんじゃないかなって、なんとなく、そんなふうに思ってたんだ。
だから、陛下はきっと叶えてくれるだろうって、たかをくくってたのかもしれない。
―――なにを言っている。
低い声だった。
いつものように、食堂でオレは陛下の隣の席について夕飯を食べていた。
ぼんやりと、ただ、食べてたんだ。
味なんかわからない。
心もからだも疲れてた。
何をどうすれば、オレを認めてくれるのか。
頭の中は、混乱しきってたし。
だから、無意識のうちに、溜息をついてしまってたらしい。
ワイングラスをテーブルにもどす音が、かすかにした。
「心配ごとがあるのか」
静かな声だった。
視線を動かすまでもない。陛下がオレを見てる。
視線を痛いくらいに感じた。
返事をしないわけにはいかない。
そっぽを向いているのも、不自然だし、礼儀にかなわない。
右斜めを見れば、陛下の黒い瞳がオレを見ていた。
かすかな苛立ちめいたものは、見えない。ただ、オレを慮っているのが、わかった。
ふと、辺境にいる母さんと父さんを思い出した。
焦った。
二年にもなるのに、まだ、馴染めないのか。
そう思うだけでこみあげてくるものに、オレは、蓋をしようと、必死になった。
情けないだろう。
人前で。
しかも、食事中なんて。
限界だったんだ。
だから、涙を堪える代わりに、云ってしまった。
絶対に、陛下に向かって云ってはいけない言葉を。
「帰りたいんです」
刹那。
温度が下がったような錯覚を覚えた。
陛下のまなざしがたちまち凍りつくのを、オレは、見たんだ。
けど、一度堰を切ってしまった感情を押しとどめるすべを、オレは、失ってた。
「皇太子の地位を返上したいんです」
留まらない。
「僕には、荷が重過ぎるんです」
だから、お願いです。
いつの間にかこらえていた涙まで流して、オレは、訴えていたんだ。
けど――――
「なにを、言っている」
陛下の声は、氷点下の厳しさだった。
「そなたは、皇太子だ。私が見出し、認めた。私の唯一の嫡子は、おまえだけだ」
「…………ジュ、リオは」
「関係ない」
冷酷なほどあっさりと切って捨てる。
椅子から立ち上がり、王が、オレの背後に移った。
椅子の背ごとオレを抱きしめ、オレの髪を掻きあげた。
「ユゥフェミアによく似た顔をして、私を裏切ろうというのか」
きつい拘束に、からだが震える。
怖い。
忘れていた感情を、思い出す。
「陛下っ」
瞬間、オレは、激痛を感じていた。
「父と呼ぶようにと、何度言えば覚えるのだ」
髪の毛を鷲掴みにして、陛下がオレを仰のかせる。
「そなたの父は、私だけだ」
ごめんなさい―――――と。
何度も、
父上、許してください――――そう云って、オレは、謝ったんだ。
******
相変わらず変な夢を見てます。
港か桟橋か、とにかく船着場のようなところを見下ろしていると、ぬかるんだ黒い泥の上に、二頭の海獣が。
一頭は、立派な牙を持ってるでっかいの。コミカライズされたみたいな感じなんですが、どうやら、セイウチらしい。
もう一頭は、その幼獣らしいのですけど、そちらの尻尾の部分に太い銛のようなものが突き刺さってて、血を流してる。
野次馬のなかの誰かが進み出て、チャレンジするんだけど、銛は抜けず、幼獣が痛がって逃げる。
でも、あまり深追いしたら、親が怖いというので躊躇して、誰も手を出さない。
珍しくヒーロー精神を出したらしい魚里が、そこから下に下りて、幼獣の銛を抜いてあげるんですね。
元から人間に抜いてもらおうとでも考えていたのか、二頭は悠々と海に帰ってくのでした。
う~ん。
何気に今日気がついたのですが、もしかしたら、ロイ君、成仏してないかも………しれないです。
魚里の部屋のテレビの上に飛び乗って、熱を逃がすためにボディーが格子状になっているところで爪を研いでから、窓の外を眺めるのがお気に入りだったのですが。
夜中か明け方、結構大きな音がするんですよね。
家鳴りではないと思うんですよ。
プラスティックっぽい音だし。音源は、テレビらしいし。
パキというか、ドンというか。微妙な音がするんです。
大きい。
で、結構大きな音だから、一緒に寝てるジュニやら茶々も反応しそうなものなんですが、無視。
家鳴りでも大きかったらぴくんと、反応するものなんですが。ジュニなんか魚里の胸から腹にかけて、茶々なんか足の間とか腰の横とかで寝てるので、震えたらわかるんですよね。
もしかして――――ロイがいないと寂しいなぁと、無意識につぶやいてる魚里のせいで、成仏できてない? それは、辛いぞ。ロイくん。いいとこにいてください。ネイティブ・アメリカンの伝説の、虹の橋で待っててくれると嬉しいなぁ。
最近気になってることがあります。
深夜アニメは、見る気ないんですが。録画も出来んし。色々突っ込みそうなので。
ひとしきり喚きます。失礼を。
「花咲ける青少年」がアニメになるなんて~~~。
どうしましょうね。しかもクインザが速水さんだっけ? 子安さんだっけ? 忘れてますが。どっちかでしたよね。
ま、まぁ、彼は、重要なキャラですが、でもまぁ、ああいう人物ですから仕方ないですか。どういう文章やxx
気になるのは、ユージーンだな。誰が声当てるんだろう。
いつもの魚里のタイプなら、黒髪好きだし、やっぱリーレンなんですが。なぜだかこの話において、一番のお気に入りは、ユージーンなのです。彼が一番色っぽい。し、やっぱ、ムスタファと融合してるから、ねこ科好きの魚里としたら、彼なのかもしれません。報われんしね。あの切なさは、彼独特というか。
アメリカの彼は(名前忘れてるからな魚里)あのへたれ度からいくと、結構好みなはずなのだが。どうも、視界に入ってこないのでした。
ともあれ、魚里にしてみると、樹さんのあの華麗な男性人がアニメになるとどうなるんだろうという不安ばかりが先に立つのでした。
「八雲立つ」は、見たけどねvv 結構いい出来でしたが、他は、見てないのでした。
あと、ギョッとなったのが、今もう放映してるのかなぁ。「タイタニア」! あれ、なんでアニメでながれるんだ~~~~。原作、決着つけてなかったっしょ、田中さんっ! 徳間ノベル持ってますが、まだ完結してなかったよねっ! 完結してましたか? 待って待って待ちくたびれて、田中ファンから戦線離脱した魚里です。うん。「創竜伝」は、全巻ビデオ持ってますし、それくらいにはファンだったのですが。「銀英伝」は流石に買えなかったですが。最近は、もう、駄目~~~xx でも、「タイタニア」好きだったんですよね。だけに、なんか、釈然としない。
何回も完結さすといって復刻しながら、完結しない、「七つの黄金郷」みたいなもんですかね。これも寂しい。
2009-03-08(Sun)
四回目です。
テオじゃなくオイジュスと呼ばれるようになってからも、みんなを名前で呼ばなけりゃならなく
なってからも、三年が過ぎた。
迷子になるみたいに広い館をぽんと贈られて、僕のものだといわれた日が、はるかに遠いように
思える。この館が、皇太子だっていう僕だけのためのものだって知って、どれだけ驚いたかしれや
しない。
あれからずっと、自分にのしかかってきた信じられない現実に、僕は、今でも押しつぶされてし
まいそうだ。
三年前のあの日。
僕は、一足先に王宮に戻っていた陛下によって迎えられた。
父だという実感も沸かないまま、僕は、これから僕が暮らすのだという皇太子の館に案内された
。そこは広い城内でも、王さまが日常的に生活する城にほど近い、日当たりの良い館だった。規模
で云うなら王さまの居城の三分の一くらいだろう。それでも、あの辺境の領主の館くらいはありそ
うで、僕は、自分の環境の変化にめまいを覚えるだけではすまなかった。
事実、翌日からの二日間を、僕は、初めての館のベッドで過ごしたのだから、情けない。
僕の看病をしてくれたのは、母さんだった。
僕の家族もまた、ここに迎えられた。僕の乳母とその夫、それに、僕の乳兄弟というのが、みん
なに与えられた役割だった。館の敷地に小さな家を一軒構えて、みんなはそこで暮らすらしい。こ
んなこと陛下に知られたら、やっぱりやばいかなって思うけど。僕にとっての家族は、どうしたっ
て十三年間一緒に暮らしたみんなだから、僕は、ただ、みんなと別れずにすんでよかったと単純に
喜んでいたんだ。それに、兄さんのこともある。兄さんの名前はジーンっていうんだけど、かなり
頭がよくって、ちゃんとした勉強をさせたいって、母さんも父さんも考えてたらしいんだ。でも、
田舎じゃあ、な。あんま裕福じゃないから都会で勉強をさせるって云う踏ん切りもつかなかったら
しいんだ。それに、流れの民って家族は一緒に暮らすんだって云うのが伝統らしいんだよな。僕だ
って、離れるなんて、考えたことなかった。
ともあれ、僕の熱は三日目になって下がった。起き上がれるようになったんだ。
そんな僕のところに、陛下からの使いだってひとが来てさ、僕を陛下の居城に案内してくれた。
僕のところが一番近いって云ったって、それでも結構歩かなきゃならなかった。
そうして、僕は、陛下にとある部屋へと案内されたんだ。
ひとの気配の感じられない部屋だった。
女性のものらしいやわらかな色調で整えられた繊細な部屋の中、咲き初めた春の花がやさしい香
を漂わせている。
「后の部屋だ」
陛下の声は、穏やかだった。
まるで大切な宝物でもあるかのように、目を細めて、室内を眺めるさまに、陛下がどれだけこの
部屋のひとを愛しているのかがわかるような気がした。
「オイジュス」
肩を抱かれるようにして導かれ、連れて行かれたところは、その奥の部屋だった。
扉ではなく、豪奢な織物が、矩形に刳り貫かれた出入り口にかかっている。
織物をめくった途端馥郁とたちのぼったその香に、僕は、ほんの少し、めまいを覚えた。
なぜだろう。もちろん僕には、その匂いをかいだ記憶なんかない。
なのに、懐かしいんだ。
胸の奥に熱いものが溜まり、せりあがる。
部屋の真ん中にベッドがあった。
「そなたは、この部屋で生まれたのだ」
支柱に支えられた天蓋から垂れ下がる帳はやさしい春の色で、軽やかな刺繍が縫い取られている
。
居心地のよさそうな室内だった。
まるで今にも帳の奥から、僕の母だという顔も知らない女性が手を差し伸べてくれそうだった。
そのやさしい声さえも耳の奥によみがえるかのようで、僕は、顔を伏せた。
「そうして、ここから、攫われた」
陛下が帳を掻き分けると、そこには小さなそれでいてみごとな細工のベッドがあった。
中にはなにもない。
「后は、そなたの帰りを待ちわびて、そうして、やがて、はかなくなった」
今は、お前の帰還を喜んでいるだろう。
そういいざま、陛下は太い金糸の紐を引いた。
ベッドの足元の壁に掛けられた織物が、するすると左右に分かたれてゆく。
そこに現われたものを見て、僕は、目を見張った。
そこには、壁一面の画布に女性の全身像が描き出されていた。
「そなたの母、ユゥフェミアだ」
窓越しの陽光が画布を照らし出す。
淡い緑色のドレスが、そのひとの印象をやわらかく彩る。
小作りの白い顔を際立たせる褐色の髪はかるいうねりを見せて流れ落ちる。褐色のまなざしが、
春の花の色に塗られたふっくらと小さなくちびるが、僕を見てやさしく微笑む。それなのに、小ぶ
りの冠も細く華奢な首を取り巻く真珠の首飾りも、手首に巻かれた腕輪さえも、そのひとにとって
は、重い枷のように見えたのは、なぜだろう。
王妃さまといわれてつい想像してしまうような、人目を引く美女ではなかった。一幅の絵だとい
うのに、その全身から漂う穏やかそうな雰囲気が、いつまでもそのひとの傍にいたいと思わせる。
やさしそうな。
おだやかそうな。
心地好さそうな。
このひとの傍にいたかった。
その刹那、僕は、育ててくれた両親も兄も忘れていた。
「泣いているのか」
目元を拭ってくれた陛下の指の感触に、僕は、我に返った。
「暫し待て。お前の屋敷に複製画を届けさせよう」
陛下は約束を守ってくれた。
あれから一月ほどして届けられた肖像画を、僕は、陛下が言うように寝室に掛けてもらった。
三年、朝晩眺めているけど、やっぱり、自分の母さんだって思えない。
髪とか瞳の色は似てるけど、でも、顔が似てるなんて思えない。
まぁ、僕は、あまり体格がいいほうじゃないけど。うん。母親が違う二つ年下の弟に、負けてる
けどな。
だからって、女に見えるなんて云われたことない。
僕が陛下の子供だっていう証拠は、陛下が生まれたばかりの僕の首にかけたって云うあの指輪だ
けなんだ。
僕は、知ってる。
僕が本当に陛下の息子なのかどうか、疑ってるひとがたくさんいるって云うことを。
定住していないってことは、その国に税を落とさないってことでもあるから、どこの国でも、流
れの民は、あまり、歓迎されない。
だから、そんなのはただの嫌ごとだってわかってるけど。
でも。
流れの民は装飾品に目がないからな。道端で死んでいた子供の首からでも金目の物を奪って自分
のものと言い張ってるんじゃないのか――――。
聞いたとき、目の前が真っ赤になった。
装飾品に目がないわけじゃない。普通に定住して暮らす町や村のひとと違って男も女もが装飾品
をつけてるのは、それが持ち運びが簡単で換金しやすいからなんだ。そりゃあ、いつも身に着ける
ものだから、それなりのこだわりっていうのがあるのは事実だけど。
僕は流れの民の生活を本当に知っているってわけじゃない。けど、そんなふうに謗られるのは、
いい気持ちのするもんじゃない。
陛下が誰よりも先に僕をそうだと認めたってことで、声高に云うってわけじゃないけど、悪口っ
て、やっぱり自然に耳に入ってくる。
悔しかった。
僕は、別に、王さまになんかなりたくない。
王さまに向いてないって、知っている。
ふさわしくなんかないんだ。
それは、誰に言われるまでもない。自分で嫌ってくらいわかっている。
陛下はまだ若くて元気だけど、いつかは僕があとを継がなければならなくなる―――――なんて
、僕には絶対無理だ。
僕が出来るかぎりはがんばった。今だって、がんばってる。
でも、僕は、木切れを削ったり彫ったり、そんなことが好きなんだ。
なのに、今の僕ときたら、毎日決められた時間割に縛られてて、木切れに触れるのは、陛下と摂
る夕飯の後と風呂の前までのほんのちょっとの時間だけ。それだって、勉強や剣やら弓やら馬を習
った後は疲れきってしまってて、木切れを握って彫刻のための道具を取ってってやってるうちに眠
ってしまってたりするんだ。情けないよな。
こんなところにいるのは絶対間違いだって、毎日痛いくらいに感じてて、十六の男が、泣きたく
なるんだ。
十六なんて、町や村にいれば、働いててあたりまえなのにな。
こんなんじゃ、城の外で暮らすことも無理だ。
中途半端なんだ。
こんな僕と比べるんだから、母親違いの弟のジュリオのほうが、よっぽど皇太子らしい。
彼と僕とを比べる周囲の死線は冷ややかで、僕は消えてしまいたくなる。
流れの民なんかに育てられたからだ―――皇太子らしくない振る舞いや失敗をするたびに、誰か
がそんなことをつぶやく。
僕が云われるのは、もう、仕方ないって思うけど、それは、同時に母さんたちが謗られることだ
から、僕にとって、とっても痛い言葉だった。
だから、僕は、二年前に、決意したんだ。
十四に僕がなる本当の誕生日に、なにか望みがあるかって陛下に訊かれて、お願いした。
みんなを城から出してください―――って。
あの懐かしい辺境に、みんなを帰してください―――――って。
母さんと父さんとに、この城の生活が、合っていないのもわかってた。僕が失敗するたびに、流
れの民を悪く言うことばが母さんや父さんの耳に入るのが、辛くてならなかった。母さんたちにご
めん――って、言いたくて、でも、言えなくて。そんな僕を、ジーンが、そっと誰もいないところ
で、慰めてくれる。昔みたいに抱きしめてくれるんだ。
ジーンは残ると云ってくれた。僕のためだけじゃなくって、自分が残りたいんだって。
母さんも父さんも、そうしたらいいと、言ってくれた。
僕を独り残すのは、辛いから―――声に出しては云わなかったけれど、僕には伝わった。
ふたりは、本当に、ジーンと分け隔てなく、僕を愛して育ててくれたんだから。僕も、みんなの
ことが本当に、大好きなんだから。
陛下は、叶えてくれた。
みんなが一生生活に困らないように、色々と心を配ってくれた。
だから、僕が母さんと父さんとに会ったのは、二年前が、最後だ。
そうして、僕がふたりに会うことは、なかったんだ。
――――――もう、二度と、ありはしなかったんだ。
************
昨日はちょっと、某サイトさまの男女恋愛小説に耽っておりました。長かった~。腰は痛いし、足はしびれるし。でも先が気になるし。夜中の二時半近くまで読んでてまだ半分ってxx ちょっと視点が飛びすぎなのが読んでて辛かったですが。一人称だからあの辺整理したらもっと短くてすっと読める話になるのになぁ。 ← 偉そうですねxx すみません。話自体は、ハッピーエンドで、よかったです。若干キャラの年齢が低かったですけど。う~ん。
ウィル・オ・ウィスプ――でしたっけ? ややこしいカタカナは苦手だ。DS、PSP両バージョンが発売だそうで。興味はあったもののPSシリーズはPSPしか持ってない魚里としたら、あああああと、よろめきそうで怖いんですが。某サイトさまのSSでプレイしたつもりにさせていただいておりました。いつもありがとうございます♪
2009-03-06(Fri)
2回目に拍手ありがとうございます♪ 嬉しいです~vv
えと、すみません。
気圧のせいか、朝から頭痛が酷いので、今日はパスです。
結構画面睨んでたのですが、やばいです。
薬飲んだので、寝ます。
おやすみなさい。
2009-03-05(Thu)
三回目です。
一回目に拍手くださったかた、ありがとうございます。とっても嬉しかったです♪
やがて、
「これをどこで手に入れた」
深く低い声が、僕に訊ねてきた。
何かを堪えているかのような、声だった。
どこでと言われても、困る。中身なんか知らないまま、ずっと、僕のものだったんだから。
「歳は」
十三になったばかりだ。
「そうか」
誰ひとりとして、口を挟まない。
男の次の言葉を、周囲は固唾を呑んで、ただ待っている。
いったいこの男は、誰なんだろう。
それは、今更な疑問だった。
狩猟用の膝丈の上着は、濃い葡萄色をした極端に毛並みの短い毛皮のように艶めいている。腰を絞る帯は金の刺繍も豪華で、留め金の飾りは透かし彫りもみごとな銀細工だ。膝までの長靴はやわらかそうななめし革で、膝のところにはたっぷりとした毛皮がついている。その毛皮は、羽織ったマントと同じもののようだったし、マントを肩に留めるブローチは、腰帯の留め具と同じ細工だ。
きっと、どこかの貴族の殿さまなんだろう。
そんなひとが、どうしてそんなに食い入るように僕を見るんだろう。
盗んだとでも思われてるんだろうか。
だとしたら……………。
逃げたしたい。
けれど、そんなことができるはずもなく。
やがて男が動いた。それにつられて、僕の全身が情けないくらいに震える。
「カリム」
後ろに控えている男を呼び、なにごとか指示を下す。
「しばし、つきあうよう」
男の命令に逆らうことなんか、僕に出来るわけもなかった。
なんともわからない空気が漂う中、連れて行かれたところは、領主さまの館だった。
扉が開くとずらりと並ぶ召使たちの中央に立った領主さまが、男に、緊張した礼をとるのを、僕は信じられないものを見る思いで見ていた。
こんなにも領主さまが慌てるこのひとは、いったい。
正体が知れないことと、このあと自分が家に帰れるのか。そればかりが頭の中をぐるぐると回りつづけている。
カリムと呼ばれていた男が進み出て、領主さまに何かを告げた。
領主さまは始めて僕に気づいたみたいだった。そのまま召使になにかを命じている。それは、どうやら、僕に関することらしかった。なぜなら、しばらくして一人の女中が、僕を奥の湯殿まで案内してくれたからだ。
そのまま湯を使わされた。
呆然としている間に服を剥ぎ取られて、湯船に浸らされたのだ。
女のひとに全身を洗われるという経験は、めちゃくちゃ衝撃的だった。茹ったようになっている僕は、からだを拭われて新しい服に着替えさせられたんだ。そのころには、もう、精神的にも肉体的にも僕はへろへろになっていた。
断罪されるだろう人間が、なんで湯を使って服を着替えさせられるのか――なんていう疑問は、欠片も湧いてはこなかった。
今まで着たことがない綺麗で着心地の好い服は、逆に僕の不安を掻きたてるばかりだった。
帰りたい。
父さんや母さんや兄さんのことばかり考えていた。
いつもならとっくに戻って野草を洗ったり、一段落ついたら木切れをいじったりしているころだ。
今はナイフの柄の飾り彫りの練習中だったりする。もう少しで彫り上がるのは、オオカミの頭だ。自分では結構格好良く彫れてると思うんだけど、父さんは強度も考えるべきだっていう。使ってる最中に折れると危ないって。確かにそうなんだけど。彫りすぎるのが悪い癖だってわかってるんだけど。やりすぎちゃうんだよな。父さんに合格だって言ってもらえるのはいつになるんだろう。悔しいけど、がんばるんだ。
女中の後ろをついて歩きながら、僕はオオカミの次は何を彫ろうか――なんて考えてた。
あからさまに現実逃避なんだって、自分でもわかってたりする。
けど、そうでもしていないと、いたたまれないんだ。
自分の足元と先導してくれてる女中の服の裾を睨みつけて歩いてる。
どこまで行くのか知らないけど、なにかしら尋常じゃないことが待ち受けているっていうことだけは、感じるんだ。
帰りたい。
今日何度目に思ったときだろう。
―――こちらです。
女中が僕を振り返った。
女中に促されて一歩部屋に踏み込んだ僕は、
「父さん、兄さん」
叫んでた。
落ちつかなそうに部屋の中ほどに立っているのは、間違いなく、父さんと兄さんだった。
「テオ」
兄さんが僕を抱きしめてくれた。
「にいさんっ」
話しかけてくる兄さんの声に、僕は強張りついてたすべてがほぐれてゆくのを感じたんだ。
無口な父は、
「心配した」
とだけ云って、僕の頭をくしゃりと撫でてくれた。
それだけで、僕は泣きそうになってしまった。
「いったいこれは、どういうことなんだ」
兄さんの青い目が、僕を見下ろす。
「ごめん」
実は――と、説明しようとした僕は、
「アルシード国王グレンリード陛下であらせられる」
その言葉に、言おうとしていたことを忘れてしまったんだ。
アルシード国王グレンリード陛下。
びっくりなんていうものじゃない。
王さまなんて、僕らにとっては同じ人間じゃない。雲の上の神さまにも等しい存在だ。
そんな凄く偉い人がどうして?
それは、父さんも兄さんも、同じだったに違いない。
ふたりがその場に這い蹲る。
僕も彼らに倣おうとした。
なのに。
ゆっくりと部屋に入ってきたあのひとは、窓を背にして置いてあるすわり心地のよさそうな椅子に腰を下ろして、僕を凝視した。
そうして、
「テオ――と、呼ばれているのか」
味わうような口調で、僕の名前を呼んだんだ。
「近くへ」
這い蹲ることも出来なくて、なんとも中途半端な格好をしていた僕を、国王へいかが手招いた。
逆らえない。
そんなこと、考えられなかった。
もう、頭の中は、真っ白なんだ。
ギクシャクとした不様なさまで、僕は、国王陛下の前に進み出た。
王さまが僕を見る。
その黒い瞳は石炭のように、奥にいこっている炎を宿しているようだった。
視線に射すくめられた僕の顎を、王さまが、持ち上げる。
「っ」
ひっくり返ったような情けない声が、喉の奥で詰まる。
けど、王さまはそんなこと気にならないようだった。
ただ、僕の顔をしつこいくらいに眺めて、そうして、
「后によく似ている」
と、独り語ちたのだ。
僕にはわからない。
顎から外れた手が、もう一方の手と一緒に僕を抱きしめてくる。
わけがわからない。
誰か説明してほしい。
後頭部が逆毛立つ。
心臓が焦ってわめきたてる。
脂汗がながれて、全身が熱いような冷たいような、なんともいいがたい感覚に捕らわれていた。
「ようやく、我が手にもどったのだな」
静かな声が、僕の耳を射る。
「オイジュス――我が子よ」
それは、頭から雷に貫かれたような衝撃だった。
この日最大の、一生に何度も受けはしないだろう、超弩級の驚愕だったのだ。
2009-03-04(Wed)
はい。昨日の続きです。
狩り装束の男たちが、慌てたようにたくさん駆け寄ってくる。
そうして、僕とそのひととの間に割ってはいった。
それは、そのひとを守るためのようだった。
僕の目の前に、男が三人立ちはだかって、残りの七人はそのひとを取り囲む。
残る五人が、イノシシを片付け、縄をかける。
イノシシは運ばれてゆき、僕も、彼らに引っ立てられるようにして、彼らが張った天幕へと連れて行かれた
んだ。
僕の家がすっぽり入るくらいの天幕の中は、贅を凝らしたものだった。
見たことのないきれいな物がたくさん、ただ狩りをするためだけに張られている野営用の丈夫な布の中に、
据え置かれている。
地面に敷かれた敷物は、まぁ、まだ寒いし、濡れた地面にじかに座りたくないと思えば当然だろうけど。で
も、椅子を使ってるし。わざわざ持ってくるのが凄い。それにしても、やけに肌触りのいい絨毯を何枚も重ね
ているのは、無駄というか、もったいない気がしてならなかった。
まぁ、そのおかげで、後ろ手に手首をひとまとめにされてその場に押さえつけられてても、僕も、ごつごつ
とした感触に顔を擦り付けることがなくてすむんだけど。
そんなことをぼんやりと思いながら、でも、絨毯の感触を楽しむ余裕なんかあるはずがない。
身分の高いひとたちが猟をしている場所にまぎれこんでしまったのだということが、わかったからだ。
彼らの楽しみを台無しにしてしまった罰を、受けるんだ。
どうなるんだろう。
なにをされるんだろう。
全身の震えは、再開していた。
脂汗はひっきりなしで、寒い。
いったい、今日はどうなっているんだろう。
思いすらしない成り行きに、僕の心臓は慌てっぱなしだ。
イノシシも恐ろしかったけど、この男たちも同じくらいに、もしかしたらイノシシなんかよりも、もっとず
っと怖いのかもしれない。
僕の目の前には、あの時つまらなさそうに僕に声をかけた男のひとが、椅子に腰を下ろして、やっぱり、僕
を見下ろしている。
父さんよりは若いだろう。
だとすると、三十台くらいなんだろうか。
男らしく整った顔立ちは、硬く引き締まって、少しの甘さもない。眉間に刻まれてる深い皺と、への字に結
ばれたくちびるとが、男からそんなものを総て奪い去っているみたいに思えた。黒く形の良い眉の下の鋭いま
なざしが、僕を怯えさせる。
「なぜ、あんな場所にいた」
声は、男の右後ろに立つ男のものだった。
男はただ、黙ったまま僕を見ている。相変わらず、興味はないのだが、視線が向くのが僕のところだから仕
方がないとでもいった雰囲気で、椅子の肘掛に頬杖をついている。
訊かれたことに僕は、必死に答えた。何度もつっかえたけど、わかってもらえないとどうなるかわからない
、そんな怖気があったんだ。
「………………いいだろう」
領主殿からの通達があったとは思うがな。
不満そうな口調だったけど、どうにか信じてもらえたらしい。
ホッとした僕の耳に、
「それは、何だ」
やはり右後ろの男だった。
椅子に座る男は、もう、僕に興味がないことを隠すようすも見えない。運ばれてきた何杯めかの杯を干して
、戻していた。
男が指差したのは、僕の首からぶら下がっている皮袋だった。
―――お守りだからね。開けちゃ駄目だよ。
母さんに言われたことを、僕はずっと守ってきた。
―――開けると、お前の身に災いが降りかかるからね。
滅多にすることはないけれど、母さんの占いは、よく当たるのだ。
だから、皮紐は何度か変えたけど、それでも、袋の中を覗いたことはない。
「毒ではあるまいな」
再び男たちが色めきたつ。
あんまりな言いがかりに、僕はもう、恥も外聞もなく、泣きだしてしまいそうだった。
首を振る僕から、それをもぎ取るのは、男たちにとってはあまりに容易いことだったろう。
僕はどうあがいてもまだ十三の非力なガキでしかないのだから。
からだを鍛えることよりも、家の中で木切れに細工をすることのほうが好きなんだ。
僕の夢は、父さんのような細工師になることなんだ。
男が僕の目の前で、さかしまにして皮袋を振った。
しゃらりとかすかな音をたてて、なにかが流れ星の尾のように光った。
そうして絨毯の上に転がり落ちたものを、僕は、呆然と見ていた。
「私が」
皮袋を取り上げた男の声よりも、椅子に腰掛けている男のほうが、すばやかった。
男が拾い上げたものは、繊細な金の鎖が通された、金の指輪だった。もしかしたら純金なのかもしれない。
細かな彫が施された深い色調の金の輪の真ん中に、大人の親指の爪ほどもありそうな深紅の石が嵌っている。
それは、僕なんかじゃ一生かけても持てないような、信じられないくらい立派な指輪だったんだ。
男の黒い瞳が、信じられないくらい大きく見開かれていた。
ざわめきが、やまる。
つまらなさそうだった男の瞳に、光が宿った。
射るように、僕を見る。
頭の天辺から足指の先までを、まるで解剖でもするかのように、じっとりと眺めてくる。そうして、僕と、指輪とを、何度も、見比べるのだ。
永遠と思えるほどの時間に思えた。
もちろん、実際はそんなに長いはずはないんだけど。
静まり返った周囲も、指輪の意味を知っているんだろうか?
疑問が不安へと変わってゆくのに充分な、沈黙だった。
*************** 今日はここまで清書。
DVDを見てました。
“THE EYE”、『ゴッドファーザー』『バイバイリバティ危機一髪』『ワルサーP38』の4本です。流石に一日では見れませんでしたよ。うん。
左から。
○ 何年か前の香港映画のアメリカバージョン。ストーリーに変化はなしと思われます。香港バージョンも見てます。香港版の湿度がある、ある種の泥臭さとはやはり無縁ですね。
魔女と責められたことから自殺を選んだ女性の角膜をもらったバイオリニストの女性が、幽霊を見るようになった恐怖から、自分のドナーを探して問題の解決をしようとする話です。
巻き込まれる担当のお医者さんが、医師の資格を剥奪される覚悟でドナーの情報を渡すのですが。そこまでする必要があるのか。つい、悩みます。いや、たしかに、人情としてはそうしたいでしょうが。だって、ばれたら一生棒に振るんですよ。半狂乱とはいえ、主人公のごり押しが凄いなぁ。香港バージョンでも似たようなことを思ったかなぁ? その辺あやふやですけど。
○ マイケル・コルネオーレが、キアヌ・リーブスとうっちゃんを足して2で割ったタイプに見えて仕方がなかった。魚里の目が変ですか?
内容は有名どころなので、パス。ともあれ、マイケルの外見が気になって気になって。う~っむ。名作なのに、どこを見てるんだか。
マフィアの生活、華やかなんだけど、どこかこう、地に足が着いてますね。セレブとは言い切れない。
何かというと、食堂に集まるからかなぁ。肌着にサスペンダーっていう姿がどうも、常日頃のおしゃれ度とのギャップがありすぎるのかもしれない。
あと、ドンの奥さんが、堅実な印象だからかな。なんか、よくも悪くも田舎のおかみさんっぽい雰囲気で、ドンの奥方って魚里がイメージするタイプじゃなかったからかな。
トム・ヘイゲンと、次男のフレド――魚里の期待するタイプじゃなかったです。残念。
ソニーの単細胞振りが、不思議とツボでした。うん。結構好きかも。意外だな。
○ ルパン2本、両方ともラストしみじみする話でした。それだけって云うのもなんですけどね。
2009-03-03(Tue)
え~前に書きかけてたシリアス物の話ですが、直して直して、こんな感じになってしまいました。
最近、一人称が書きやすいようです。でも、下手xx
とりあえず、これだけ清書できたんですね。まだまだです。
辺境の春は遅い。
名残の雪が虫干しの綿のようにあちこちに点在する野原で、僕はそのひとに出会った。
そのひとがこんな辺境に来るなんていうことはとても珍しいことで、多分、里のほうでは噂で持ちきりだったのかもしれない。
けど、僕ら家族は知らないことだった。
僕ら家族――父と母と兄の四人家族だ――は、入り組んだ国境近くの森の中に暮らしていて、人里にはあまり近づかなかった。
元々僕らは流れの民で、二年をかけてこの近辺の国々を廻っては金を稼ぐという生活をしていたらしい。
らしい――というのは、僕が物心つくころには僕ら家族は既にここで暮らしていたからで。僕が聞いたのは、からだを壊した父のために地に根を下ろした生活を決意した母が選んだのがこの地だったということだけだ。
僕らは、父のために静かな生活を送っていた。
無理をしなければ普通の生活ならできるものの、旅から旅への生活は父のからだには負担が大きすぎる。だから、父は元々得意としていた木彫りを生活の道に選んだ。父が作った品物を村や町で売るのは母の仕事だったから、僕と三つ年上の兄とはふたりして家のこまごました家事をこなしていた。
その日、僕は野原に芽を出しているだろう春の野草を摘みに出かけていた。
くせの強い匂いと噛んだ途端口いっぱいに広がる苦味が僕は苦手なんだけど、父と母の好物なんだ。沸騰する湯に塩を入れて軽く湯がいたそれを刻んだものを、潰した芋にまぜて味を調えたり、ソースに混ぜ込んだり、調理をするのは兄さんだ。
味を想像するだけで顔をしかめる僕を、ガキの味覚だな――と兄さんがからかうのが、春一番の恒例行事だったリする。
今日がその日なんだろうなぁ。
そんなことを思い描きながら、見つけた野草を摘もうとしゃがむ。
ああ、あっちにもあるな。
ここにもあるじゃん。
夢中になって摘んでた。
塩を揉んだら保存もきくし。僕は苦手だけど、結構重宝する食べ物なんだ。
背負ってた籠がいっぱいになって、僕は一息ついた。
腰と膝を伸ばそうとしたときだ。
なにかが、僕の膝裏にぶつかってきたんだ。
それが、モロ膝裏でさ。僕はその場で転んだんだ。
籠の中身は散らばるし、服は汚れるし。
いったいなんなんだ――――――って、顔とかについた泥を擦ってる僕の目の前でもがいているのは、矢を背中につきたてられた、イノシシだった。
転ばされるだけですんで良かった。ひずめで蹴られてたら大怪我か、下手したら命がなかったよななんて思えばこそ、この状況のやばさが身に染みてくる。
それは、僕にとっては、不運極まりないことだった。
猟犬の声が、遠く聞こえる。
逃げないと。
それは、間違いなく、条件反射だ。
手負いのイノシシなんて、危なすぎる。森や山で出会って一番怖いのは、盗賊は別として、クマ、オオカミ、イノシシだろう。その上手負いともなれば、言わずもがなだ。
その証拠に、僕を見ているイノシシの両目は、怒りで燃えるようだ。
折った膝で、起き上がろうと泥を掻いている。
イノシシの怒りが僕に向けられている。ただその場に立っていただけで。
イノシシは、矢で射られたことなどよりも、きっと、その痛みだけが腹立たしくてならないのだ。そうして、その怒りを誰かにぶちまけたくて、この場に居合わせた僕に白羽の矢がたったってことなんだろう。
幸運が二度もつづくとは思えなかった。
逃げよう。
覚悟を決めた。
けど。
心とからだは別物だった。
僕はその場に貼りついたみたいになって、動けなかったんだ。
どうも僕は、いざって時に弱い性質らしい。間抜けというか、へたれてるというか。十三にもなって自分でも情けないなぁと思うんだけど、生まれ持ったものなのだとしたら、どうしようもない。ほんとうに―――。
目の前でイノシシは怒っている。
僕に向けられている怒りが、痛いくらいだ。
イノシシに殺されるのは厭だなぁ。
馬鹿みたいに、そんな場合じゃないのに、そんなことを考えてた。
それでも、逃げたくてたまらないんだ。
背中が冷たい。
必死だったんだ。
どうにかして。
ようやく一歩後退できたけど、尻もちついたら、洒落にならない。
荒い息をつきながら立ち上がったイノシシが、迫ってくる。
たまらなくなって、目を閉じた。
イノシシの牙が、右腕をかすめる。イノシシが地面を蹴立てる凄まじい音と風圧とが、僕に襲い掛かる。
その時になって、やっとだ。
遠く聞こえていた猟犬の鳴き声が、興奮して荒い息が、僕の周囲に渦をなした。
それは、心強い盾だった。
涙でかすんでいる視界に、斑模様の犬が何頭もいて、イノシシを囲んでいる。けどイノシシは、犬を蹴散らしそうないきおいだ。
立たないと。
一難去ってまた一難って感じだ。
何でって。
腰が抜けたんだ。
焦ってた。
何度も踵で地面を蹴ったけど、どうやっても立ち上がれないんだ。
そうやってもがいてる僕の後ろから、
「なにをしている」
平坦な低い声が降ってきた。
艶光する黒い馬の背から、そのひとは僕を見下ろしている。
その黒い目が、つまらなさそうに、僕を見ていた。
2009-03-02(Mon)
大吉なのに。
朝と晩に火傷してしまった魚里です。
卵焼きを作った後に、洗い物をしててフライパンの柄に指が当たったり。
お風呂にはいってて、熱湯が出てる蛇口に肘が当たったり。
そりゃあ不注意意外のなにものでもありませんが。
しょっくです。
うん。
今朝、塀の下の植木鉢にパンを置いていたら、一番乗りは、どうやらヒヨちゃんだったもよう。ヒヨちゃんには好評で、パン屑を一心不乱につついてる。
ちょ~っと塀にくっついてる位置なので、カラス君たちには不評らしく。夕方になって、やっと思い切って飛び降りてました。ごくろうさん。
ここのところ毎日少しずつお話をメモッてます。
やっと、承に突入しました。
起がやたらと長かったのです。
A5サイズのノートに9枚って………。
これから、ちょっと清書にかかろうかな。でも、メモッてる話の清書って、途中で変わるから下手に弄れなかったり。う~ん。悩みどころです。
2009-03-01(Sun)
庭に放り出されている古い火鉢(らしい)は、ほとんど生ゴミ入れと化しております。生ゴミ………ヒヨちゃんたちに出した果物の皮とか残りとかがそこに行く運命なのですが。
今日は朝寝をしたので、結構遅くに庭を確認しましたら、火鉢に止まって、生ゴミ(ヒヨちゃんやらメジロたちが食べた後でもう色素くらいしか残ってない。まぁ腐ってはないのですが)のグレープフルーツをつついてるヒヨちゃんが一羽。
たまには食に変化をと、キウイフルーツを蝋梅に刺したのですが。
柑橘類とは違って安定が悪く、あまり好評ではない模様でした。甘いのになぁ。ちょっと食べてはお隣の金柑を食べてる。どうやらうちに来るヒヨちゃんは、柑橘類が好きなようです。リンゴも嫌いじゃないでしょうが、グレープフルーツほど食い付がよくなかったしなぁ。
で、まぁ、常連の二羽のカラス君。どうやら番らしく。お隣の柿の木の枝を咥えては巣作りしてた番と思われますが。
ねだりに来ますね。
魚里も、困ったことにカラスが好きなものですから、甘い。都会じゃなくてよかったと思うのは、きっちりとテリトリーが決まってるのか、二羽がほぼ固定だということ。代替わりはしてるらしいのですが、もらえるからと、群れ成して来ないってことですね。
前に、塀の内側の植木鉢に転がり落ちたパンを決死の覚悟で塀から降りて咥えて帰ったからと、わざとにパンを植木鉢に置いたのですが。
悩みに悩んだ挙句、塀の上のひとかけしか咥えませんでしたね。
それでも、植木鉢にあるというのはわかってて未練ありげだったので、塀にのせましたら、すぐに取りに来ましたが。
一日魚里がパンをあげなかった後に、あげたらば、切羽詰ってたのかなんなのか、すぐに塀の上に飛び乗って、それからは難なく塀に来るようになったので、いずれは、塀じゃなく植木鉢にダイレクトに来るようにならないかなと期待してるんですけどね。ちょっと無理かな。ロイさんがいなくなってから、たまに、お散歩の野良猫とかが来るようになってるしなぁ。
茶々とジュニはほとんど庭に出ないので、出てもすぐに帰ってくるので、カラス君たちはさして問題視していないし。
ロイ不在の寂しさにカラスに入れあげる魚里って…………う~ん。