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2007/11
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悪魔と踊れ 3
 ロイが帰ってこなくて、ちょっとパニックになってた魚里です。結局帰ってきたので、これ書いてますが/// だめですねぇ~ロイがいなくなったら、魚里、ダメです。

 さてさて。結局、今朝4時過ぎまでかけて、『地獄少女』を見切りました。し、しんどかった。う~ん。なんつーか………。やっぱ、というか、なんというか、魚里的には、今一でしたか。一目連クンも、あまり活躍しませんしね。――ちなみに、刀の憑く物神というのが、正体でした。ネタバレネタバレ。失礼xx ま、それなりに楽しめたかなぁというのが、感想ではありますがね。焦って、DVD集めなくてよかったぁ。ほっ。

 ではでは、ちょこっとだけしか書けてないのですが、『悪魔~』を楽しんでいただけると、嬉しいです。







 寝苦しい夢に魘され、司教は目覚めた。

 厭な余韻だけを残して、夢は、砕け去っている。

「寝た気がせん」

 ベッドの上に起き上がり、額を押さえる。

 体内時計は、今が明けがだたと告げているというのに、部屋は、まだ、闇に閉ざされている。

 悪夢の名残を振り払いながら、ベッドから降りる。

 窓の帳を開け払い、外に広がる景色に、息を呑んだ。

 吹き荒れる嵐は一夜を過ぎても、まだ、続いている。

「ご主人様から、嵐がやむまでご滞在を――と、言付かってまいりました」

 不意にかけられた言葉に背後を見ると、昨夜の青年が佇んでいた。

「お礼を申し上げたいのだが、城主殿は」

「ご主人様は、午後になるまで、部屋をお出になられません」

 どうぞ、司教さまにはごゆるりとなさってくださいとのことです。

 青年が、テーブルの上に香ばしいにおいを立てる焼き立てのパンとスープ、それに、ワインを並べ、椅子を引く。

 司教が椅子につくのを見て、ジュールが、給仕についた。

 静かに佇みながら、ジュールが褐色の眸で、司教を見る。眸にたたえられた色を、司教が見ることはない。もし見ていたなら、暢気に、舌鼓を打ってなどいられなかっただろう。それほどの、憎悪の色が、彼の眸には、潜められていたのである。







 嵐は、やむ気配すら見せない。

 時折金の雷光が、黒々とした空を引き裂いては消える。

 神の怒り――――

 ふと過ぎることばに、司教は、首を振る。

 神に仕える身が、いかさま。と。

 胸にぶら下がるクルスを、手遊ぶ。

 ごゆっくりとは言われても、手持ち無沙汰でしようがない。

「別段部屋から出るなといわれたわけでもなし」

 ひとり語ちて、司教は、椅子から立ち上がった。

「ご城主殿に、礼をな」

 ドアを開ける。

 壁を覆うタピスリーが、手燭の明かりに、揺らめく。

 細かな刺繍が施された、一品が廊下の壁を覆い、ずらりとつづく。これから自分が赴任する教会にも、これほどのタピスリーがあるだろうか。いや、これほどの手を、今まで見たことなどありはしなかった。

 しかし、ふと、気づく。

「なにか、物語のようだぞ」

 森の中での出会い。別れ。教会の修道士。位の高い僧侶が――――

 司教の顔から、血の気が引く。

「まさか」

「いや」

 しだいに足早になりながら、タピスリーに織り出された物語を追ってゆく。

 約束―――と、聖書に用いられる文字でつづられた単語が目に飛び込んできた。

 そう。

 約束を破ったのは、僧である自分だ。

 汗が、こめかみから頬へと伝う。

 再び捕らえられた、少年の、家族。

 彼らのその後の運命。

 嘘だ。

 なにかの、偶然。

 首を振りながら、しかし、目を背けたいような、その織物から、視線を外すことはできなかった。

 魔女――との、審問。

 魔女の家族への、審問。

 刻々と続く、むごたらしい拷問。

 赤い血の色が、タピスリーを、染め上げていた。

 ピタン。

「ひぅっ」

 首筋に落ちてきたものに、司教の全身が、震えた。

 拭った手を目の前に持ってきて、我とわが目を疑った。

 べっとりと手をぬらすものは、紛れもない、血。

「うわっ」

 手を振った弾みで、手燭が、床に転がり落ちる。

 消えた蝋燭。

 しかし。

 タスケテ。

 タスケテクダサイ。

 魔女ナンカジャナイ。

 チガウ。

 チガウンデス。

 子供の、泣き声。

 女の、男の、悲鳴。嘆願。呻き。

「うわぁっ」

 両手で耳を覆い、壁に背中を擦り付ける。そのままずるずるとしゃがみこみそうになった司教の肩に、ひたりと触れたのは。

「ひぃっ」

 小さな、子供の手だった。

 
 
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